2022.09.10 コラム
フルフィルメントとは?用語の意味やメリット・デメリットなどについて解説
 フルフィルメントは、EC事業において欠かせないものです。では、フルフィルメントとはどのような意味で、どのような工程を含むのでしょうか?また、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
フルフィルメントとは?
 フルフィルメントとは、主にECやカタログ通販などにおける、注文受付からアフターフォローまでの一連のプロセスのことです。アウトソーシングベンダーの中には、フルフィルメントの外注サービスを提供している企業もあります。
なぜフルフィルメントが重要なのか
 フルフィルメントは、EC業務のうちの多くを占めています。そのため、フルフィルメントをスムーズにおこない業務効率化を図ることは、事業拡大のうえで必須です。なぜなら、事業拡大に伴ってEC業務の量は多くなるため、業務効率化をしないと対応しきれないためです。
 またフルフィルメントが適正におこなわれていないと、顧客の元へなかなか商品が届かなかったり欠陥品を届けてしまったりして、顧客が離れていってしまう恐れがあります。顧客の信頼を維持し続けるためには、フルフィルメントの充実と安定が不可欠です。
▽フルフィルメントと3PLの違い
 3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託し遂行することです。
 フルフィルメントと3Pでは、該当する業務の範囲が異なります。フルフィルメントは物流だけではなく、決済処理やカスタマーサービスまで該当します。その一方で、3PLの業務の対象は物流のみです。
フルフィルメントの流れ
 フルフィルメントの流れは、以下のとおりです。
1.入荷・検品
2.棚入れ、商品保管
3.コール業務、受注処理
4.ピッキング
5.検品
6.梱包
7.発送
8.決済業務
9.返品処理
 では、それぞれについて解説します。
1.入荷・検品
 入荷とは、荷物が物流倉庫へ届くことです。そして検品は、入荷された商品の種類や数量が正しいかどうかチェックすることです。検品ではミスを防ぐため、ハンディターミナルで商品バーコードを読み取ったり、バーコード検品システムを活用したりする物流倉庫もあります。
2.棚入れ、商品保管
 検品をした商品は、指定の場所で保管します。保管方法は、ラックやパレット単位で保管するなど、企業によってさまざまです。日本のEC事業においては、注文が都内に集中するため、商品保管所や物流倉庫を都内に置く事業者が多いです。
3.コール業務、受注処理
 コール業務とは、問い合わせやクレーム対応などのことです。コール業務は、コールセンターに集約されていることがほとんどです。
 受注処理とは、注文状況の確認や注文完了報告、在庫状況確認などの作業のことを指します。受注処理では、アナログ管理や在庫管理システムの連携などで在庫を管理し、CSVデータを使って出荷指示をすることが多いです。
4.ピッキング
 ピッキングとは、出荷指示に対して在庫から必要な数量だけ商品を取り出すことです。大型の商品や、重量のある商品の場合には、フォークリフトや台車を使ってピッキングします。ちなみに、フォークリフトを操作するには「フォークリフト運転者」の資格が必要です。
 ピッキングの精度や効率を上げるために、「デジタルピッキングシステム」という支援システムが導入されることもあります。また商品によっては、ピッキング後に「流通加工」という業務が必要です。
5.検品
 検品は商品の入荷時だけではなく、ピッキング後にも実施します。ピッキング後の検品では、賞味期限や商品の破損、異物混入がないかどうかなどを確認します。発送前に商品を確認する最後の工程であるため、ミスがないようにしなければなりません。
6.梱包
 商品を発送する際は、袋や箱に梱包をします。商品によっては、発送時に傷がつかないよう緩衝材を入れます。
 商品を梱包をする際は、他にも感謝状やクーポンを入れることで、顧客満足度を上げることが可能です。また袋や箱の開封のしやすさや、商品の取り出しやすさなども、顧客満足度に関わります。
7.発送
 梱包をしたら、配送業者の集荷に合わせて商品を受け渡します。配送業者は受注処理時に受け取った個人情報をもとに商品を顧客に届けるため、送り先を間違えないように気を付けなければなりません。発送が完了したら、発送完了メールを顧客に送ります。
8.決済業務
 発送が完了したら、決済業務をおこないます。主な決済方法は、下記のとおりです。
・クレジットカード払い
・代引き
・銀行振り込み
・コンビニ払い
・電子決済
・キャリア決済
9.返品処理
 もし顧客から商品の返品を希望された場合は、対応する必要があります。ただし返品事由によっては、返品不可として対応する場合もあります。しかしこちら側の不備による返品の場合は対応する必要がありますし、クレームが拡がらないよう真摯に対応しなければなりません。
フルフィルメントのメリット・デメリット
 まずフルフィルメントのメリットですが、バックヤード共通管理により、商品が届くまでの一連の業務をスムーズにおこなえることが挙げられます。また、一連の業務をおこなうことにより顧客の声が届くため、ニーズに応えやすくなることもメリットです。顧客の細かいニーズにも答えられれば、企業のブランディングにつなげられる可能性もあるでしょう。
 フルフィルメントのデメリットは、外注した場合に顧客の声が届きにくくなることです。ただし外注にはまた違ったメリットがあるため(内容は後述します)、それぞれ比較検討してどうするか決めると良いでしょう。
フルフィルメント外注のメリット
 フルフィルメント外注のメリットは、次の2つです。
◎業務効率化ができるためマーケティング活動に時間を割ける
◎プロに任せることで質と顧客満足度が向上する
では、それぞれについて解説します。
◎業務効率化でマーケティング活動に時間を割ける
 フルフィルメント業務は、時間がかかります。そのため、本来マーケティング活動に割くべき時間が圧迫されてしまいます。さらに、単純な作業であるフルフィルメント業務を、より高度な業務をこなせる人材がおこなうのは好ましくありません。
 しかしフルフィルメント業務を外注することで、そこにかかっていた時間を節約できるため、マーケティング活動などより高度な業務に自社の人材を充てられます。そうすることで業務効率化ができ、事業の拡大がしやすくなります。
◎プロ任せで質と顧客満足度の向上
 フルフィルメント業務外注サービスを提供している業者はプロであるため、自社でフルフィルメント業務をおこなうよりも質が良くなります。それにより、顧客満足度向上も期待できます。特に大型のセールやクリスマスなどのイベントの際は、業務量が増えてミスが起こりやすくなるため、プロに任せる安心感はより大きくなるでしょう。
フルフィルメント外注のデメリット
 フルフィルメント外注のデメリットは、次の2つです。
▲コストがかかる
▲顧客のニーズを把握しづらくなる
では、それぞれについて解説します。
▲コストがかかる
 当然ですが、フルフィルメント業務を外注するにはコストがかかります。さらにフルフィルメント業務外注にかかるコストは、商品の保存方法や保管期間などに応じて変わってくるため、実際に業者に見積もりを出してもらわないとなかなかコストのイメージがつきません。
 金銭的なコストだけではなく、複数社に複雑な見積もりを出してもらい比較検討することによる労力がかかることもマイナスです。
▲顧客のニーズを把握しづらくなる
 自社でフルフィルメント業務をおこなう場合、顧客との接点があるため、ニーズを把握しやすいです。しかしフィルメント業務を外注すると、問い合わせやクレーム対応なども全て業者が対応するため、顧客の声が届きにくくなります。
 そのため、顧客対応だけは自社で対応するなど、顧客の声を吸い上げるための工夫をしてみると良いかもしれません。
フルフィルメントサービスを行う主な企業
・Fulfillment by Amazon(FBA):Amazonの指定する方法でAmazonの倉庫に納品することで、商品の保管や注文処理、配送、配送後のカスタマーサービスまでAmazonが代行してくれる
・楽天スーパーロジスティクス:楽天スーパーセールなどの遅延がおこりやすいタイミングでも、楽天の自社倉庫から配送されるため安心して売れるうえ、保管・出荷に上限がないため大量出荷も可能
・EC運営代行 by GMO:MakeShopでの1万店以上の導入実績やノウハウから、売上に伸び悩んでいるネットショップの運用代行をしてくれる
フルフィルメントはEC事業には不可欠
 フルフィルメント業務は、EC業界で活躍する企業の拡大のためには必須です。では、記事の内容をおさらいしましょう。
・フルフィルメント業務は注文受付からアフターフォローまでの一連のプロセスのこと
・3PLとは業務範囲が異なる
・外注にはメリットとデメリットがあるため比較検討した方が良い
フルフィルメントを支援するサービスを厳選
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 顧客体験価値をアップさせるサービスを導入することは、自社の売り上げに貢献します。
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