民間のイノベーションを最大限に引き出す成長戦略を

　まず、コロナ禍での総選挙にあたり、集会などがこれまでより制限される中での選挙運動になることが予想され、本格的なインターネット選挙になると考えられるとし、各政党や各候補者が、有権者に対してネットを活用した選挙公約などの新たなコミュニケーション手法を、より積極的に展開していくことに期待を示した。

　その上で、「コロナ禍を機として日本のトランスフォーメーションが強く求められている」とした考えを展開。新しい経済への対応には、昔ながらの枠組みのもとに作られてきた各種規制・税制・予算などの既存制度や民間慣行の抜本的な見直し、税制引き下げなどを通じて、民間のイノベーションを最大限に引き出す成長戦略が必要と強調した。

基本原則は「構造改革なくして成長なし」、総選挙で日本経済の処方箋を

　基本原則は「規制改革や税制引き下げなどの構造改革なくして成長なし」。金融所得課税の強化や法人が保有する現預金への課税強化については、リスクマネーなどの円滑な供給の視点や二重課税との関係などから、反対の意思を表明した。

　総選挙ではこれらの具体策に関して、真剣な政策論争が行われることを期待するとともに、各政党や各候補者が、日本経済復活の処方箋を具体的に提示することを求めている。

　最後に「民間にできることは民間に」と、経済団体として政府と連携しながら、引き続き日本経済再生のために取り組む決意を表明。自らの本業の活性化とともに、官と連携しながら本業を活用した社会経済の諸課題の解決に貢献するとした上、政府経由による分配とは違う、民間による資金循環を通じた新たな支援（フィランソロピーエコシステム、寄付拡大、インパクト投資拡大）などを通じて、最大限の社会貢献を行っていく考えを明らかにした。