2021.09.16 調査・統計
20年食品宅配市場、4.3%増の2兆4969億円…コロナ禍で宅配需要拡大
(株)矢野経済研究所が15日発表した『食品宅配市場に関する調査』のまとめによると、2020年度の市場はコロナ禍の宅配需要拡大で2桁成長を記録。フードデリバリーサービスが充実し、外食・ファストフードの宅配市場が急拡大した。21年度以降も、生活に欠かせないサービスとしての定着を見込んでいる。

食品宅配、コロナ禍の影響でかつてない2桁成長を実現
調査期間は6~8月。業態別に、在宅配食サービス、食材(惣菜)宅配、宅配ピザ、宅配寿司、外食チェーン・ファストフード宅配、牛乳宅配、生協(個配)、ネットスーパーの主要8分野を対象にした。いれの宅配サービスも日用品、雑貨などを除く食品群を基本とした。
それによると、20年度の食品宅配市場規模(主要8分野合計値)は、前年度比14.3%増の2兆4969億円と推計した。16年度に2兆円の大台に乗り、少子高齢化の進行で国内の食関連市場が縮小傾向にある中でも成長を続けてきた。20年度はコロナ禍の影響で宅配需要が急拡大し、近年まれに見る2桁成長を遂げた。
新時代のフードデリバリーサービス「ゴーストレストラン」市場に注目
同研究所は注目トピックとして、新時代のフードデリバリーサービス「ゴーストレストラン」市場を挙げている。店内に飲食スペースのないキッチンのみの飲食店。主にネットで注文を受けて店舗(キッチン)で調理を行い、デリバリーで顧客に料理を届けるサービス形態をいう。
来店客がいないため店舗の立地にこだわる必要がなく、ホール(飲食スペース)やスタッフルームといったスペースも接客対応の従業員も不要なことから、開業コストを大幅に削減できる。不可欠なのが、宅配代行サービス「出前館」「Uber Eats」などのプラットフォーム事業者。アウトソースでかかる時間と労力、コストを削減でき、調理に集中することができる。
外食・中食・給食業者80社の53.8%がデリバリーサービスを実施
7月に主要な外食・中食・給食業者80社に調査した結果では、53.8%がデリバリーサービスを実施していた。受注・配達方法で最も多かったのは、「宅配代行サービス(Uber Eats、出前館など)のシステムを利用」(55.8%)で、プラットフォームの進化と充実が、ゴーストレストランに代表される新時代のフードデリバリーサービス市場の拡大を支えていることが示された。
新しさを含む食品宅配市場は、20~25年度の年平均成長率が3.3%と、引き続き順調に推移し、25年度の市場規模は2兆9321億円に達すると見込んだ。コロナ禍を契機として急拡大した市場は、収束の兆しが見えない中で21年度以降も拡大を続けており、今後はフードデリバリーの日常利用が進んで、生活に不可欠なサービスとして定着するものと考えられる。
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