「サステナビリティビジョン2030」で掲げた「責任ある紙の使用」の一環で

DINOSでは、今年創業50周年を迎える通販ブランド「ディノス」が、テレビやECとともに、長年のコミュニケーションツールとして紙媒体のカタログも展開している。同時に、持続可能な社会の実現に貢献するため、今年策定した「サステナビリティビジョン2030」で、自然環境に対する取り組みの1つに「責任ある紙の使用」を掲げている。

紙によって伝えていくことの価値を大切にする企業として、これまでの社内コミュニケーションでも、Webに加えて紙メディアも用いてきたが、3月からの社名変更・新体制スタートを機に、社内古紙を再生した「R100（古紙パルプ配合率100％）自社再生紙」を使用することで、紙媒体の価値に環境保全視点も加えた社内報としてリニューアルを決めた。


セイコーエプソン本社にある「PaperLab」で製紙

細かく古紙を回収し、セイコーエプソンの「PaperLab」で再生紙に

コロナ禍でのテレワーク推進などもあり、ここ数年でペーパレス化が進んで業務での紙使用量は減少しているが、社内の複数か所に専用ボックスを設置して細かく古紙回収を促し、不要となった保存書類なども併せて、A4サイズの古紙を回収。独自技術でオフィスでの紙循環を実現したセイコーエプソンの「PaperLab」を用いて、約1万3000枚から150g/㎡の厚みでA3サイズ3000枚を製紙し、社内報用紙として使用する。

製紙作業はセイコーエプソンが協力。「PaperLab」は、オフィスでの紙循環を実現しただけでなく、製紙に際して大量に必要となる水もほとんど使わないなど、環境負荷の軽減にも貢献する。DINOSと同様に、紙がもたらす価値を高く評価する同社は、アップサイクルの新たな企業事例創出のための実証実験と位置付けている。

新たな価値を持った紙媒体を創出へ

DINOSでは、19年に全日本DM大賞でグランプリを受賞した「パーソナライズドDM」など、デジタルテクノロジーとの融合による新たな価値を持った紙媒体を生み出す取り組みにも積極的だ。同時に、社内古紙再生という身近な「循環」を社内報用紙に付加するアプロ―チで、改めて紙の可能性とサステナビリティを考えていくきっかけになることをめざしている。

新入社員を迎えた最新号の社内報「Everything Has A Story」の裏表紙には、「持続可能な未来のために」と、紙が持つ価値と自然の尊さを一緒に考えていく、という従業員向けメッセージを掲載した。