ECは3Q・4Qで増収増益、過去最高益に

EC強化を図った第2四半期以降、ECの売上高は好調を持続。メーカー各社のフルサイズミラーレスカメラの新製品効果もあり、中古、新品とも順調に推移した。第4四半期単体では四半期ベースで過去最高、3月度は過去最高月次売上高を更新した。店舗はコロナ禍の影響を大きく受けたが、下期以降は売上高とともに利益面も回復。第3四半期から第4四半期間の前年同期比では増収増益となり、各利益段階で過去最高益となった。

販売チャネル別では、EC売上高が前期比18.5％増の255億3500万円で、構成比は75.2％。6月以降のEC強化でサイトアクセス数と新規会員数は順調に増加、12月には登録会員数が50万人を突破した。また、店舗は同35.8％減の84億2500万円だった。

カメラ事業は増収増益、店舗の落ち込みをECが補完

カメラ事業は、売上高が前期比3.2％増の240億2200万円、セグメント利益は同0.8％増の23億2400万円となった。売上高に占める構成比は67.2％。分散していた店舗を本館に集約して、購入から買い取り・買い替えまでを１棟で完結する「MapCamera Tower」を開設し、ECサイトを通じた情報発信基地とした。EC買い取り・販売とも第2四半期以降は好調で、店舗の来店者減少による売上高の落ち込みを補完した。

時計事業は、売上高が前期比16.0％減の86億8100万円、セグメント利益は同35.8％減の3億5700万円。売上高の構成比は29.8％となった。品揃え強化で利益面では第4四半期で増益に転じた。越境ECとして出店する「ebay」と「Chrono24」は、着実に売上高が伸長。EC売上高は前期を上回り、店舗売上高はインバウンド需要の低下を含めて大幅に減少した。

自転車事業が利益3倍と好調、次期業績は増収増益を予想

筆記具事業は、売上高が前期比18.9％減の4億800万円、セグメント損失は3000万円（前期は2200万円のセグメント利益）となった。ECサイトでは、独自のサービスで買い取りの利便性向上を押し出し、新しい顧客の獲得と中古品の商材確保に注力したが、従業員の出勤制限などで商品化の遅延もあり、中古品売上は低迷した。

自転車事業の売上高は前期比53.8％増の8億4800万円、セグメント利益は同209.5％増の4000万円となった。コロナ禍で自転車需要が高まり、各種パーツの品揃えを拡充。自社サイトおよび他社サイトで売上高は大きく増加した。

22年3月期の通期業績見通しについては、売上高が前期比12.6％増の382億3000万円、営業利益が同14.7％増の18億4900万円、純利益は同16.3％増の12億4100万円を見込んだ。引き続きEC強化を継続し、フルサイズミラーレスの需要拡大継続、時計事業のさらなる成長、越境ECでのグローバル展開を活性化させるなど、主軸のカメラ、時計事業を中心に売上高、各利益の成長を図っていくとした。