2021.03.23 事件・トラブル
「要指導医薬品」の指定は合憲、最高裁判決で楽天敗訴…新経連が反論
インターネット販売が一定期間禁止されている「要指導医薬品」(スイッチOTC医薬品)について、楽天(株)の子会社だったRakuten Direct(株)=吸収合併で楽天が承継=が一部製剤の規制取り消しを厚生労働省に求めていた訴訟の上告審判決で、最高裁小法廷は18日、規制を合憲とした一、二審判決を支持し、上告を棄却した。楽天の敗訴が確定した。
14年の提訴から約7年で結審
処方箋が要らない市販薬のネット販売は、最高裁が国の規制を違法と判断し、2014年に解禁された。ただ、医療用から市販用に切り替わって間もない製剤(スイッチOTC医薬品)を「要指導医薬品」に指定。「要指導医薬品」は薬機法(旧薬事法)で薬剤師の対面販売が義務付けられ、原則3年の安全評価期間はネット販売ができない。
楽天側はこの規定を憲法違反として、ネット販売を通じて医薬品の販売ができる権利と地位を有することの確認などを求め、14年に提訴した。一審の東京地裁は、17年に「規制は必要性と合理性がある」と判断。二審の東京高裁も19年、「安全性の評価が確定していない薬の、不適正な使用を防ぐ目的がある」として、一審を支持していた。
電話やメールでは理解が不確実?
上告を棄却した最高裁小法廷は、「要指導医薬品」は安全性の評価が確定していない医薬品とした上、規制の目的が公共の福祉に合致するものと認められ、そのための規制措置の内容や必要性、合理性については尊重すべきものとした。
さらに、電話やメールなどの方法では理解の確実さの点で対面に劣るとする規定の考え方も不合理ではないと指摘。規制対象となる薬の市場規模が全体の1%未満であることも踏まえ、制限の程度も大きくないとした。
三木谷氏「著しく時代錯誤で合理性を欠く」判決と批判
判決を受け、楽天の会長兼社長を務める三木谷浩史氏は、(一社)新経済連盟の代表理事の立場から、「医療分野でも、オンライン診療やオンライン服薬指導が進みつつあるなどデジタル化が進んでおり、コロナ特例が認められるほか、恒久化の議論も進められている」とした上、「現行の規制は著しく時代錯誤であるとともに合理性を欠き、要指導医薬品の購入希望者のアクセスを不当に制限している」との認識を強調。
「判決は(新医薬品の再審査結果が出た)18年11月の状況を前提としたもので、その後のスマートフォンのさらなる普及や、薬機法改正でオンライン服薬指導が解禁されたこと、昨今のコロナ禍での状況などは一切考慮されていない」と反論している。
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