2020.11.09 ECモール
「重い・高い」でも売れる!鬼滅の刃グッズも人気…eBay越境ECトレンド
越境ECマーケットプレイス「eBay」を展開するイーベイ・ジャパン(株)はこのほど、2020年第3四半期(7~9月)に日本セラーから出品されたアイテムの販売動向を発表した。この季節は下降基調となるファッションや、ソーシャルディスタンスを意識したアウトドアやDIY関連など、売れ筋も「コロナ」を映し出している。
日本からの販売はカメラが35%増
新型コロナウイルスの感染拡大により、EC需要は依然として高い。売れ筋のカテゴリーや商品も、海外旅行などが制限される状況下での反動ともいえる嗜好品人気が継続。年末商戦に向けて、ギフト需要を支えるキャラクターグッズやおもちゃの人気も根強い。
日本からの「越境EC」取引に関するデータをみると、出品カテゴリーの売上TOP3は「カメラ関連」(前年同期比35%増)、「アパレル&ファッション雑貨」(同34%増)、「宝飾・装飾・時計」(同28%増)と続き、前期の第2四半期(4~6月)と同じ順位となった。
依然として海外旅行などがままならない環境下、米国ではブランドバッグなどファッション関連や時計・宝飾品の需要が継続。ファッションカテゴリーでは 通常ダウントレンドとなる7~8月の夏の商戦期を乗り越え、前期と同様に推移して大きな成長につながった。
トレカ・釣具が急浮上
「カテゴリー別取引ランキング」は、1位が「レディース アパレル&ファッション雑貨」、2位が「腕時計、パーツ&アクセサリー」、3位は「フィルムカメラ」、4位は「カメラレンズ、フィルター」、5位が「アニメ、キャラクターグッズ」だった。
上位に大きな変化はないものの、TOP10外からランクインしたのが、「トレーディングカード」の8位。海外でも大人気のポケモンカードの新商品が相次いで投入されたことが影響した。また、10位には「釣具」が入った。もともとDaiwaやShimanoといった日本メーカーの商品がeBayでも安定したシェアとなっていたが、自然の中でソーシャルディスタンスを保って楽しめることが人気となったこともあり、売り上げを伸ばした。
商品別1位はポケモンのトレカ
「商品別」では、カテゴリーランキングでトレーディングカードを押し上げた要因であるポケモンカードから7月に発売された「ポケモンカードゲーム ソード&シールド 強化拡張パック『伝説の鼓動』ブースターBOX」が、売れ筋商品の1位となった。ポケモンに限らずトレカでは「日本語版」であることに価値を感じ買い集めているバイヤーもいるという。
動画配信の機材や電動工具も上位に
外出自粛により、商品や自宅で楽しめる楽器、音響機器も前期に引き続き人気。2位にマキタの「インパクトドライバ」が、4位に動画配信などにも活用できるRolandのサンプラーがランクインした。
新たな流れとして、ソーシャルディスタンスを確保しながら楽しめるアウトドアアクティビティが米国でも人気を集めており、3位にフィッシング用品、ダイワの「電動リール」がランクインした。5位はカシオの「G-SHOCK」だった。
「鬼滅の刃」グッズは越境でも人気
イーベイ・ジャパンによると、今期のトレンドは今後も継続する見通しだが、海外では年末商戦期が例年より早くスタート。第4四半期(10~12月)に向けてアニメ、キャラクターグッズ、おもちゃなど、ギフト需要を支えるカテゴリーは注目。日本で大ブームとなっている「鬼滅の刃」関連グッズはeBayでも需要が高くなっているという。検索の伸びは急上昇しており、コミックやコスプレグッズがよく売れているそうだ。
また、年末に発売を控える Playstation5がビデオゲームのカテゴリーを活性化させる可能性も高いと見られ、そうしたトレンドを見極めることが越境ECで売り上げを伸ばすポイントだとしている。
給付金影響か「重くて高いもの売れる」
同社では、11月6日にメディア向けにトレンド説明会を実施。同社の岡田雅之社長がスピーカーとして登壇し、トピックの説明などを行った。コロナ禍の大きな影響としての物流規制にも言及。「日本郵便のEMSに制限が設けられるなど、物流の状況が変化している。ただDHLやクーリエなどのサポートで越境配送はスムーズにできる状態」(岡田社長)と強調。EMSの制限による影響については「EMSが利用できないことにより、セラーにとっては従来より配送コストが上昇するケースもある」(同)としながらも「EMSと比べると重いものも送れたり早く届いたりするという越境配送サービスが多いため、セラーも『重いものを早く届ける』という特徴をいかした販売戦略を立てる傾向となっている」(同)と話した。
日本限定車種のパーツや装飾品に注目
そのほか販売の傾向についても話した。「各国の制作による給付金などの影響か、高価格が高いものが伸びており、バイヤーにとってコストが高くつく重いものなどもよく売れている」そうだ。そのなかで注目株として「カーパーツ」を挙げた。「日本でしか発売されなかった車種のパーツなども売れており非常にチャンスのあるジャンルだと思う。そのほか、スプレーガンといった車のドレスアップ用品も売れている。巣ごもり需要として車のチューニングやカスタマイズ品は今後も需要が伸びることが期待できる」とした。
eBayが「リテールセラピー」の受け皿に
今後のコロナ関連の影響も指摘。「米国では次なる給付金もあるかもしれない。前回給付のあとの動きも考えると、もし給付金がまた来れば消費は活発になると思う。また、再び”ロックダウン”という措置をとる都市もある。これもまた需要増を後押しするかもしれない。巣ごもりストレスを買い物で発散するという『リテールセラピー』の受け皿としてもeBayは機能していると思う」などとも語った。
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