2020.08.20 通販支援

フェリシモとセイノーHD、幹線輸送×ギグワークのLCC宅配開始

（株）フェリシモと、セイノーホールディングス＝HD（株）は19日、買い物弱者対策として宅配事業を手掛けるセイノーHD子会社のココネット（株）、ICTによる社会課題の解決に取り組む（株）電警とのジョイントベンチャー（株）LOCCOを通じて、業界初のLCC宅配「OCCO」（オッコ）のサービスを開始したと発表した。

効率的な「Low-cost carrier」を実現

LCCは商標登録中の名称で、Low-cost carrierの略。「効率的な運用による低価格なサービス」をいう。EC業界を中心とする宅配荷物の増加やドライバー不足を発端とした宅配クライシスによって、ラストワンマイル領域では宅配便のあり方の変容が進んでいる。例えば、宅配の受け取りでは置き配や宅配ロッカーなど非対面のサービスが提供されるようになった。

世界が直面する新型コロナウイルスという未曾有の危機の影響で生活様式が一変。非対面の宅配受取が当たり前となりつつあるニューノーマル時代では、これまで１つの選択肢に過ぎなかった「置き配」が常時サービスとして提供されるパラダイムシフトがさらに加速することが予想される。

2019年から「OCCO」開発に着手

フェリシモとセイノーHD、ココネット、電警は2019年から、LOCCOを通じて荷主・幹線輸送・

ギグワーカーを含む配送パートナーと受け取り手のそれぞれが、心地よく荷物を受け渡しで

きるための環境の研究と実験を繰り返し、配送パートナー向けスマートフォンアプリの開発と

サービス実証を進めてきた。

　今回、そのアプリの公開と併せて、誰もが参加できるLCC宅配ネットワークによる置き配サービス「OCCO」を開始した。

セイノーHDの幹線輸送網とギグワーカーのラストワンマイル配送を連携

　「OCCO」は LOCCOが提供する、業界初「幹線＋ギグワーク」による置き配サービスだ。4

月から首都圏でサービスの提供を開始し、順次エリア拡大を進めている。セイノーHDグループが持つ全国画一の幹線輸送網と、必要な時に必要な分だけ働くギグワーカーを中心とした柔軟なラストワンマイル配送パートナー網を組み合わせるという、これまでにないコンセプトにより革新的な価格で荷物を確実に届けることが可能になった。

　19年末に、フェリシモ会員向けに行った東京都内での実証実験では、利用者の利便性向上と物流コストが10％以上削減されることが実証されているという。

リビングプロシードがセイノーHDグループに

　「OCCO」を全国に展開するLCC宅配ネットワークへと強化する施策として、（株）リビングプロシードが9月1日からよりセイノーHDグループへ参入予定だ。リビングプロシードは40年以上にわたり、フリーペーパーの配布によるプロモーションを専業としている。

　約1万人の配布員＝ギグワーカーのネットワークを「OCCO」と融合することにより、ラストワンマイルのオープン・パブリック・プラットフォーム（O.P.P.）構築をさらに加速する。また、「OCCO」というサービスを、誰もが必要な時に必要なだけ担える仕事にすることにより、宅配業界の人材のオープン化（O.P.P.）を進め業界の課題を解決していきたい考えだ。