(株)スクロールがこのほど発表した20年3月期(19年4月~20年3月)連結決算は、売上高が前期比2.1%増の726億3400万円、営業利益が同26.4%増の21億4500万円、純利益は同11.5%増の7億300万円となった。
M&Aの新規子会社の早期黒字化を達成
「収益力のあるDMC(Direct Marketing Conglomerate)複合通販企業戦略の推進」を掲げ、「個別事業の収益力のさらなる向上」「事業ポートフォリオの強化」に取り組み、通販事業では収益力の向上、eコマース事業ではM&Aによる新規子会社の早期黒字化を実現した。一方で、物流センター新設に向けた先行投資や、19年9月の連結子会社ののれんの減損処理など、事業基盤及び財務基盤の整備を進めた結果、増収増益となった。
通販事業は売上高4.1%増
同社グループ全体の収益を支えた「通販事業」は、売上高が355億4600万円(前期比4.1%増)となり、セグメント利益は24億2400万円(同25.5%増)を計上。創業80周年記念の特別企画や顧客の声を生かした商品開発など、価値ある商品づくりに努めるとともに、ターゲットをより明確にしたライフスタイル提案型の売り場の展開を強化した。
このほか、既存の商材に加え、海外ブランドバッグや化粧品といった同社グループの資産を生かした新たな商材の販売とともに、商品調達方法の見直しや在庫の適正化を推進することで、原価率の低減にも努めた。
ナチュラムの独自商品など伸長
「eコマース事業」は、売上高が187億2400万円(前期比0.7%増)となり、セグメント利益は4億6100万円(同162.3%増)となった。アウトドア・フィッシング用品のECサイト「ナチュラム」のオリジナルブランド『Hilander(ハイランダー)』をはじめ、利用者の生活スタイルに着目したオリジナル家具など、独自商品の企画・開発を推進した。
また、外部ECモールへの新規出店を進めるなど、利用者との接点を拡大し、販売を強化。19年3月に子会社化した(株)ミヨシの防災用品の販売も好調に推移した。一部商材で消費税率引上げの影響を受けたものの、セグメント全体として成長を続けている。
オリジナルブランド化粧品、健康食品などを販売する「健粧品事業」は、売上高が33億940万円(前期比25.9%減)、セグメント損失は11億2200万円(前年同期はセグメント損失631百万円)。卸事業をはじめとする販売が計画どおりに進まなかった一方で、不稼働在庫の処分などの経営改革で負の遺産を一掃し、次年度の収益化に向けた足場固めを完了させた。
決済などけん引し代行事業は10%増
通信販売代行の「ソリューション事業」は、売上高が142億2600万円(前期比10.2%増)となり、セグメント利益は3億6100万円(同 35.0%減)。決済代行サービスやメディア事業(アフィリエイト事業)の伸長による増収の一方、事業拡大に向けた営業費用(主につなぎ倉庫の賃借料)が先行して減益となった。
21年3月期の業績見通しは、売上高が750億万円(前期比3.3%増)、営業利益が19億円(同11.4%減)、純利益は14億円(同99.0%増)を見込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による個人消費の落ち込みなど、先行きの不透明感はあるが、ライフスタイルや購買行動の変化によるEC市場のさらなる拡大を織り込んだ。
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