表示の浮力に根拠なし

　都によると、対象商品は、2013年4月から20年2月13日までの間、自社のウェブサイト「ジェネシスフィッシング」で販売していた「ジュニア用フローティングベスト」。サイトと取扱説明書で、「国土交通省安全基準のテストと同様基準品を使用しております」などとうたっていたほか、「小型船舶安全規則」で定めた5キロの鉄片を24時間以上、淡水中で支える浮力を備えているかのように表示していた。

　都が同社に検査結果を求めたところ、同規則で定める浮力を備えていなかった。中には、2.8キロしか支えられない商品もあり、「基準をクリアしている」などの強調表示の内容と矛盾していると判断した。商品は、大手ショッピングモール「楽天市場」でも売られていた。

自社商品なのに「メーカー希望小売価格」と任意の価格を表示

　また、ウェブサイトには「メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて記載しています」などの記載もあった。あたかも、商品にメーカー希望小売価格が設定されており、実際の販売価格がメーカー希望小売価格よりも安いかのように表示していた。

　しかし、商品は同社が企画、製造および輸入したものであり、「メーカー希望小売価格」という価額はなく、同社が自ら任意で設定したものだった。