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通販通信ECMOニュース・記事コラムEC業界で流行りの「カゴ落ちメール」とは?実現方法と効果を出すコツ

2020.01.20 コラム

EC業界で流行りの「カゴ落ちメール」とは?実現方法と効果を出すコツ


 EC・通販事業を拡大していくには、「サイトのCVR向上」→「売上アップ」が必要不可欠と言えます。それを実現するためには、様々な改善ポイントが存在しますが、中でもEC事業者を悩ませているのが「カゴ落ち問題」です。本コンテンツではECのCVRアップを目指し「カゴ落ち」を低減するために役立つ「カゴ落ちメール」についてレクチャーします。




ECサイトにおける「カゴ落ち」とは?


 そもそも「カゴ落ち(=カート落ち)」とは、ECサイトに訪問し、購入するつもりで商品をカートに投入したものの、何らかの理由で購入手続き→決済に至らなかった、という行動を「カゴ落ち」と呼びます。とある調査ではECサイトにおける平均カゴ落ち率は69.57%(※)に上っており、どんな業種でも7割弱は取りこぼしが発生してしまっている状況です。

※2019年baymard.com/researchによる米国での調査

カゴ落ちはなぜ起きるのか?


「カゴ落ち(=カート落ち)」してしまうユーザーの行動は主に3パターンに分類できます。

購入するつもりだったが、

1.何らかの問題があり中断した。
2.なんとなく中断し、忘れている。
3.何らかの理由で買う気が無くなった。

 もっとも多いのは「2.なんとなく中断し、忘れている。」というユーザーです。この場合は、なんらかのカタチで再度プッシュして購入のきっかけを与えてあげることで。購入につながります。

 そのほか、「カゴ落ち」が発生してしまう理由として、ユーザーが下記の理由で躓いてしまうことがあります。

▲ 送料や手数料など追加コストが高い
▲ 会員登録が必須だった(面倒くさい)
▲ 購入手続きが複雑
▲ 支払い総額が分かりにくい
▲ クレジットカード 情報を入力したくない 
▲ 商品到着が遅い
▲ 購入手続き中にエラーが起きてやる気をなくした
▲ 返品条件に問題がある 
▲ 希望する決済方法がなかった
▲ クレジットカードエラー


取りこぼしを劇的に改善!「カゴ落ちメール」とは?


 「カゴ落ちメール」とは、惜しくも「カゴ落ち」してしまったし既存のユーザーに対し、「カゴ落ち」した商品を挿入したリマインドのメールを自動的に送信する施策です。

 前段で説明した通り、ふとしたキッカケで「カゴ落ち」してしまうユーザーも一定数いるのです。そうしたユーザーには、「忘れてませんか?」とプッシュで通知を送ってあげることによって非常に高確率で購入につなげることができます。

 「カゴ落ちメール」はメールアドレスが分かっている=既存顧客または会員登録済み、というのが条件があるため、新規顧客の取りこぼしに防止にはEFOやポップアップなどといった別の方法でアプローチする必要があります!

 既存ユーザー向けの「カゴ落ちメール」を配信するまでの流れは下記のようになります。

1.カゴ落ちしたユーザーを特定する
2.いつ、どんな商品でカゴ落ちしたかを特定する
3.カートからの削除や購入が行われた場合、配信ターゲットから除外する
4.メール本文にカゴ落ちした商品を自動差し込みする


なぜメールでのアプローチが重要なのか?


 購入の一歩手前で離脱してしまったというホットなユーザーにCVしてもらうには、プル型ではなく狙ったターゲットに対しプッシュ型のアプローチをリアルタイムで行うことにより、高確率で購入へつなげることができます。

 「カゴ落ちメール」では、配信母数を多くできるだけでなく、平均して50%以上の開封率を叩き出します。近時は、LINEのメッセ―ジやSMS、紙媒体のDMなど、Eメール以外の手法で「カゴ落ち」をフォローする施策も登場しています。ただ、まだまだEメールの力は絶大です。それは、まだまだEメール以外の手段では、それぞれの紐付けされる機会が少ないため配信母数が少なくなりがちで売上インパクトも小さいのが現状です。まだ、Eメールの補助的な役割として活用しているショップが多いのです。

「カゴ落ちメール」のメリット/デメリット


 「カゴ落ちメール」を実施するには大きく分けて2つの方法があります。それぞれの方法にメリットとデメリットがありますので、自社の状況にあわせた設計を行う必要があります。

1.カゴ落ちメール配信に特化したツールを導入

 カゴ落ちメールに特化したツールを入れるメリットは導入費用が安いことです。一方でデメリットは配信母数が少なくインパクトが小さいことがあげられます。専用ツールの場合、カゴ落ちした顧客が既存会員の誰だったのかを紐づけるきっかけが減るためです。気軽に導入できる分、インパクトも小さいので小規模なECサイトに向いています。

2.CRM / MAツールを導入

 CRM/MAツールの施策の一環としてカゴ落ちメールを配信するメリットは配信母数が増えインパクトが大きくなることです。全配信メルマガをクリックした際に顧客を紐付けたり、来訪時にはログインしていなくても過去にログインしたことがある顧客を紐づけることで配信母数と売上インパクトを最大化することができます。一方でデメリットは導入に一定の費用と工数がかかることです。ツール費用が大きくなりがちなので、費用対効果をあわせるにはカゴ落ちメール以外の施策にも活用する必要があります。




「カゴ落ちメール」実施で注意すべきこと


1.配信母数を増やす

 配信母数が少ないと、いくら効率が高い配信でも売上インパクトを出せません。配信母数が少なくなる原因は、ユーザーの紐付けができていないことです。メールのクリックやマイページへのログインなど、可能な限り多くのポイントでユーザーの紐付けを行う必要があります。
 
2.リアルタイムで配信する

 カゴ落ちしてから時間が経過するにつれて、CVRは大きく減少します。ある調査ではカゴ落ち当日と翌日ではCVRが1/2になるとの調査結果が出ています。

3.HTMLメールで配信する

 忙しい人、いろいろなショップから多くのメッセージを受け取る人が増えているので、ビジュアルで訴求して注意を引きつけることが重要になっています。また、カゴ落ちしたことを伝えるだけでなく、実際にカゴ落ちした商品を画像で見せる必要があります。カゴ落ちメールをHTMLで配信した場合とテキストで配信した場合では売上が2倍以上変わるという調査結果も出ています。


4.セカンドプッシュをする

 1通目のカゴ落ちメールを開封しない人、クリックしない人、購入しない人に対して2通目のカゴ落ちメールを送ることで、一通目とほぼ同等の売上が出ます。セカンドプッシュをすることでカゴ落ちメール施策の売上を2倍にすることができます。

5.直近の購入者は除外する

 直近すでに購入している人に対してカゴ落ちメールを送っても嫌がられるだけで購入にはつながりませんので、ターゲットから除外するように注意しましょう。

6.連続配信されないようにする

 購入を迷っているときは何度もいろいろな商品をカゴに入れてみる顧客も存在します。そういった場合にその都度リマインドが飛んでしまうと顧客から嫌がられるので、連続してカゴ落ちメールが飛ばないように配信頻度を制御しましょう。



カゴ落ちメールに設定するリンク先はどうすべきか


 カゴ落ちメールに挿入された商品をクリックした際にどこへリンクさせるかは、主に3パターンがあります。カートの仕様によっては設定できないリンク先もあるのでカートの仕様に応じた設定が必要です。

1.カートTOPへ飛ばす

 最もCVRが高いのが、すでに商品が入っている状態のカートTOPに飛ばすことです。カートの仕様によっては出来ない場合があるので注意が必要です。


2.商品詳細ページへ飛ばす

 カートTOPへ飛ばすことが出来ない場合は商品詳細ページへ飛ばすことで効率よく購入につなげることができます。


3.マイページへ飛ばす

 マイページにカート投入した商品の履歴が残っている場合は、商品ページではなくマイページに飛ばすことも1つの方法です。ただし再度ログインが必要になってしまうと離脱の原因になるので注意が必要です。


カゴ落ちメールはCVR10%超もザラ!


 主に総合EC・通販など、商品数が多岐にわたり趣味嗜好で購入する業種で高い効果があがる傾向ですが、単品リピート通販でも一度購入した顧客が再度サイトに来訪する傾向がある場合は同様に高い効果をあげています。

事例1 ワイン専門EC
・サイト全体売上の10%がカゴ落ちメール経由
・開封率52.1% クリック率12.5% CVR10.3%

事例2 海産物EC
・サイト全体売上の8.8%がカゴ落ちメール経由
・開封率49.3% クリック率9.5% CVR10.0%

事例3 ファッションEC
・サイト全体売上の11.2%がカゴ落ちメール経由
・開封率51.7% クリック率10.3% CVR8.9%

事例4 健康食品の単品リピートEC
・サイト全体売上の5.2%がカゴ落ちメール経由
・開封率38.9% クリック率8.7% CVR13.4%


 カゴ落ちした顧客に対してメールを自動送信することで驚くほど購入につながります。しかし、売上インパクトを出す形でうまくカゴ落ちメールを実装するには、ターゲット抽出、配信タイミング、コンテンツ挿入、チャネル選択などにおいて細かいノウハウが必須となります。

 カゴ落ちメールの施策を成功させるには、システムを導入するだけではなく、そういったノウハウもセットで考え、実装をして初めて成果につながりますので今回の記事をぜひ参考にしていただけたらと思います。


▽「カゴ落ち」関連の資料はコチラ!


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