米国や英・仏・独・伊ではすでに成果も

　『Ｐｒｏｊｅｃｔ　Ｚｅｒｏ』は、Ａｍａｚｏｎの利用者に真正品を確実に購入してもらえるよう、長い経験と投資で実現したプロジェクトで、２０１９年初めに、米国と欧州（フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス）でスタートした。

日本ではソニー・タカラトミー・任天堂などが登録

　『Ｐｒｏｊｅｃｔ　Ｚｅｒｏ』に登録されているブランド数は、米国と欧州で６０００を超える。日本ではすでに試験運用を始めており、パナソニックやアイリスオーヤマ、任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、アイロボット、川崎重工、タカラトミー、ダダリオなどのブランドオーナーの協力を得ているという

　『Ｐｒｏｊｅｃｔ　Ｚｅｒｏ』は、Ａｍａｚｏｎのテクノロジーやイノベーションに加え、ブランドオーナーが保有する知的財産権に関する知見と、自社商品の偽造品を検知するための情報を組み合わせて開発されたプロジェクトだ。

ブランドオーナー側で偽造品の削除も

　『Ｐｒｏｊｅｃｔ　Ｚｅｒｏ』が備える機能は次の通り。

　◇自動プロテクション機能

　世界中のＡｍａｚｏｎで毎日更新される５０億件を超える商品情報を継続的に自動スキャンし、偽造品の疑いがある商品を検知。これまでに９０００万点以上の「疑い商品」の出品を、利用者の閲覧前に排除した。Ａｍａｚｏｎの機械学習を活用しており、常に新しい情報を取り入れることで、「疑い商品」の販売を未然に防ぐことができる。

　◇セルフサービスの偽造品削除ツール

　『Ｐｒｏｊｅｃｔ　Ｚｅｒｏ』により、ブランドオーナーは、偽造品の疑いがある商品をＡｍａｚｏｎのサイト上から削除できるという、いままでにない権限を持てる。ブランドオーナーによって削除された商品情報は、自動プロテクション機能に反映され、偽造品の検出精度の向上に役立てられる。セルフサービスの偽造品削除ツールを利用しているブランドオーナーが、「疑い商品」を削除する割合を１とすれば、Ａｍａｚｏｎでは平均５００以上の「疑い商品」を自発的に削除している。

　◇商品のシリアル化

ブランドオーナーが自社商品の製造・発送の過程で、固有のコード（シリアルコード）を発行し、そのコードによって販売される１つひとつの商品の真偽を精査し、確認するサービス。商品のシリアル化はオプションサービスだが、『Ｐｒｏｊｅｃｔ　Ｚｅｒｏ』を利用しているブランドオーナーの評価は高いという。日本では２０２０年前半に提供開始予定。