(株)富士経済は、メンズ化粧品市場を調査し、自社のレポート集「化粧品マーケティング要覧2019 No1~3」にまとめた。調査は6カテゴリー44品目の化粧品の市場規模やメーカー・ブランドシェア、価格帯別・チャネル別動向などを分析した。インバウンド需要の伸びは落ち着きをみせているが、国内需要は使用アイテム数の増加で堅調に推移している。

18年は猛暑の影響で顔吹きシートやにおいケア商品が好調
調査期間は19年1~6月。コスメティックス、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア・ヘアメイク、ボディケア、フレグランスなどカテゴリー別に調べた。
「メンズコスメティックス」の市場は、ケア意識の高まりを背景に拡大。記録的猛暑となった18年は顔拭きシートや、においケアの関連商品が好調で、フェイスケア、シャンプー・リンス、ボディケアの売上が増加した。こうした傾向を受け、19年のメンズコスメティックス市場は1196億円(18年は1180億円)が見込まれている。
家族と共用ではなく「パーソナルユース化」進む
ヘアケアやボディケアを中心に、家族での共同使用から、個人で使い分けるパーソナルユース化が進んだことで商品の投入が活性化。においのケアをアピールした商品が需要を増している。19年は、においケア以外にフェイスケア、シャンプー・リンス、ボディケアで、保湿力やオールインワン、時短ケア、UVケアなどを訴求した商品が投入された。これまでと比べて高単価でありながら、好調に推移して市場をけん引している。
メンズフェイスケアは、使用が習慣化したことから市場が拡大。一方で、乾燥などトラブルの発生時だけ洗顔料や整肌料を使用するケースも多く、継続的な使用が定着することで、一層の拡大が期待される。特に若年層を中心にSNSでの動画投稿や写真投稿が身近となっていることも相まって美容への関心も高まっている。18年以降、男性向けメイクアップブランドが多数発売されており、メーカーや小売による各世代向けのプロモーションなども期待される。
「スキンケア」「メイクアップ」の市場は、国内需要の堅調さとともに、引き続きインバウンド需要を獲得。19年には、中国をはじめとする訪日外国人観光客の「爆買い」から「自分用のお土産の購入」へのシフト傾向も顕著になっており、東京五輪の開催年となる20年もさらなる拡大が期待されている。
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