2019.04.26 ECモール
ヤフー通期決算は増収減益、PayPayへの投資で
ヤフー(株)が25日発表した2019年3月期連結決算は、売上収益が前期比6.4%増の9547億1400万円、営業利益が同24.4%減の1405億2800万円、純利益は同40%減の786億7700万円となり、サービス開始以来22期連続となる増収を継続した。その一方で「PayPay」への積極的な投資の影響もあり、3年連続で減益となった。
(決算資料より抜粋)
PayPayへの積極投資で183億円の投資損益
増収は主に広告売上収益や、アスクルグループの売上収益が増加したこと、(株)ジャパンネット銀行の子会社化が寄与したことによるもの。一方、営業利益は販売促進費・減価償却費・償却費・人件費の増加や、子会社のアスクル(株)で36億円、シナジーマーケティング(株)で23億円の減損損失をそれぞれ計上したことにより減益となった。純利益は「PayPay」への積極投資により183億円の持分法投資損益を計上したことにより大幅な減益となった。
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eコマース取扱高は11%増の2兆円に、売上構成比は68%
コマース事業は、売上収益が同9.7%増の6496億円を計上。全売上収益に占める割合は68%となった。アスクルグループやワイジェイカード(株)における売上収益が増加したこと、「Yahoo!ショッピング」の広告売上収益が増加したことなどによる。またeコマース取扱高は、前年同期比で11.3%増の2兆3442億円に達した。
クレジットカード有効会員数は、「PayPay」との連携、販促活動などにより165万人増の633万人に。「Yahoo!プレミアム」の会員ID数は184万ID増の2163万IDとなった。主にソフトバンク店頭での新規獲得による。
「2018年度コマース事業主要指標の実績」(決算資料より抜粋)
一方、営業利益はコマース事業拡大のための積極的な販売促進活動(「PayPay」100億円キャンペーン)などにより、同32.7%減の557億円となった。
PayPay累計登録者が600万人を突破
「PayPay」は、キャンペーンの連続実施によりビジネスの基盤を拡大。サービス開始後の6カ月間で、累計登録者数は約600万人となった。加盟店舗数も7カ月間で50万店を突破。決済数は6カ月間で累計2500万回に達している。
今後も、現在実施中の「第2弾100億円キャンペーン」に続き、6月にはドラッグストアの利用で最大20%還元されるキャンペーンを実施。さらに「Yahoo!ショッピング」での付与ポイントを、Tポイントから「PayPay」ボーナスに切り替えるなどして、利用者数と決済回数の拡大を図る。