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2026.05.20 行政情報

薬事法広告研究所×通販通信ECMO 景品表示法のステマ規制~通販会社が注意すべき点とは?

EC市場ではレビューやクチコミ、インフルエンサーによるSNS投稿が、消費者の購買行動に大きな影響を与えるようになった。これらのマーケティング施策を適切に実施するために、ステルスマーケティング(ステマ)対策が重要となっている。その一方で、業界内には「どのような行為がステマに該当するの?」といった悩みも。薬事法広告研究所の稲留万希子代表を迎えて、通販会社が注意すべき点を整理した。


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ステマ規制で通販業界はどう変化したか?


消費者庁は景品表示法の指定告示に、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(ステマ)を追加し、2023年10月1日に施行した。(1)事業者の表示である、(2)消費者にとって事業者の表示であることがわかりにくい――の2要件を満たすとステマに該当する。


ステマ規制のスタートにより、通販業界ではどのような変化が見られるのだろうか。薬事法広告研究所の稲留代表は次の8点を挙げた。


①インフルエンサー施策を「広報活動」ではなく、明確な「広告」として表示管理の対象として扱うようになった。


②「投稿させること」だけでなく、「投稿を自社で再利用すること」への管理が強まった。


③レビュー施策で「内容に関与しない」ことへの管理が重視されるようになった。


④従業員・専門家・監修者の「属性開示」を重く見るようになった。


⑤広告代理店任せにせず、広告主側での最終確認が求められるようになった。


⑥「PR表記を入れる」だけでなく、表示の見え方全体を管理するようになった。


⑦「証跡を残す」必要性が高まった。


⑧問題発生時に「即修正・相談・確約手続」を視野に入れる運用に変わってきた。


稲留代表は「ステマ規制開始後、企業の対応は、単に『PR表記』の対応だけでなく、インフルエンサー施策、レビュー募集、口コミ転載、専門家表示、委託先管理、証跡保存まで含めて、広告表示全体を管理する方向に変わってきたと言える」と述べた。


通販各社のマーケティング手法は大丈夫?


景表法に基づくステマ規制の運用基準では、事業者が表示内容の決定に関与したかどうかが重要と指摘している。


多くの通販会社で見られる各種の取り組みについて、稲留代表に基本的な考え方を聞いた。ここでは、そのうちの数例をピックアップして紹介する。


【例】ECモールの出店者の購入者が、レビュー機能を用いて表示するケース


<解説>問題ないと判断できるケースとして、「購入者が自主的に書き込んだ場合」「投稿の謝礼としてクーポンやポイントを『一律に』提供する場合」「事実に反する内容や名誉毀損、誤記の修正を依頼する場合」がある。


一方、ステマに該当してしまう恐れのあるケースとして、「高評価や特定のコメントを条件にした場合」「高評価をつけた人にだけ謝礼を渡す場合」「自社に都合の良い内容へ修正させた場合」がある。


【例】EC事業者が自社サイトに、第三者によるSNSの投稿を引用するケース


<解説>第三者の投稿を恣意的に抽出せず、表示内容に変更を加えることなくそのまま引用する場合には、問題ないと判断できる。


これに対し、恣意的な抽出、内容の変更や一部の切り取りなどを行った場合には、ステマに該当する恐れが生じる。もし、自社に都合の良い投稿だけを掲載する場合には、掲載箇所に「広告」や「PR」といった“事業者の表示”であることを明瞭に記載する必要がある。


【例】EC事業者が自社サイトの会員にサンプルを配布し、会員がレビューを表示するケース


<解説>そのレビュー投稿が、客観的に見て会員の自主的な意思に基づく内容であると認められる場合は、問題がないと判断される。


しかし、会員が自発的に書いたものではなく、事業者がレビューの内容に関与したとみなされる場合には、景表法上の問題が生じる恐れがある。


【例】EC事業者がインフルエンサーに無償で商品を提供する際に、「感想をSNSなどに投稿するかどうかは自由」と伝えたケース

<解説>特定のインフルエンサーを選定して商品を無償提供している時点で、事業者とインフルエンサーとの間には何らかのやり取りや関係性が生まれる可能性がある。投稿を強制せず内容の決定も含めてインフルエンサーに一任したとしても、相手が社会的な影響力の高い“インフルエンサー”である以上、「事業者の表示」と判断される可能性が高い。


「広告」「PR」と記載すれば大丈夫?


消費者庁の運用基準によると、「事業者の表示」であると判別することが困難とされるポイントとして、(1)事業者の表示である旨が記載されていない、(2)事業者の表示である旨が不明瞭な方法で記載されている――などがある。


【例】「広告」「宣伝」「PR」といった文言を表示すれば、ステマにならないのか?


<解説>文言を記載するだけでは足りず、表示全体として一般消費者に明瞭であることが必要となる。消費者庁のQ&Aから、以下の点がわかる。


・「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」以外の方法も認められる。例えば「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章での記載も可能。


・従業員が「私は○○社の社員です」と明示するだけでは、必ずしも一般消費者にとって広告であることが明瞭とは言えない場合がある。


・アフィリエイトサイトでは、サイト冒頭の一括表示(「広告を利用しています」等)だけでは、個別記事において不十分な場合がある。


・SNS投稿の本文ではなくツリー(リプライ)での表示は、一般消費者が気づかない恐れがあり、通常は明瞭とは言いにくいとされている。


・動画の場合、冒頭での表示だけでは途中から視聴した人が見逃す恐れがあるため、画面上に常時表示するなど全体を通じて明瞭にすることが望ましいとされている。


【例】事業者の表示であることを明瞭にするためのポイントとは?


<解説>ポイントとして、以下のようなことを挙げることができる。


①表示対象のすぐ近く、または目立つ場所に配置すること。


②文字サイズ・色・位置・表示時間を工夫し、消費者が容易に認識できるようにすること。


③SNS本文内や動画視聴中に確実に認識できる位置で示すこと(リプライ欄や一瞬だけの表示は避ける)。


④「誰が・どの関係で」表示しているか(提供関係、依頼関係等)を具体的に記載すること。


⑤「PR」と記載しつつ「第三者としての感想です」と記載するなど、矛盾する表現を避けること。


⑥自社サイトで第三者の投稿を引用する場合、その投稿の成り立ち(依頼したインフルエンサーである、自社従業員である、報酬を支払った専門家である等)について一般消費者に誤認を与えないこと。


EC事業者が注意すべき10のポイント



ステマ防止に向けて、EC事業者が注意すべき点について、稲留代表は以下の10点を挙げた。


①無償提供・クーポン・ポイント・招待など、「対価(経済上の利益)」を広く捉えて管理する。


②レビュー募集時に、内容や星評価を指定・指示しない。


③純粋なレビュー募集と、高評価誘導(インセンティブ条件等)を明確に区別する。


④インフルエンサー施策では、依頼文面・契約書・投稿ルール(PR明記の義務付け等)を整備する。



③純粋なレビュー募集と、高評価誘導(インセンティブ条件等)を明確に区別する。


④インフルエンサー施策では、依頼文面・契約書・投稿ルール(PR明記の義務付け等)を整備する。


⑤SNS投稿を自社サイトへ転載・引用・抜粋する際の社内審査フローを設ける(恣意的抽出になっていないかの確認など)。


⑥自社サイト等に登場する従業員・専門家・監修者の属性や関係性を正しく開示する。


⑦広告の制作・運用を代理店・制作会社任せにせず、最終的な表示内容を自社で確認する。


⑧ステマ告示のチェックだけでなく、優良誤認・有利誤認に該当しないかも併せて確認する。


⑨第三者との依頼のやり取りや、表示内容確認の証跡を保存する。


⑩問題や疑義を発見した際の社内報告および是正(または消費者庁への相談・確約手続検討)フローを整備する。




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