2026.01.27 行政情報
AI活用サービスで生じる消費者問題に対応、消費者委員会に専門調査会を設置
ターゲティング広告やチャットによる対話など、AI技術の普及に伴って生じる消費者問題への対応を検討するため、内閣府の消費者委員会は1月27日、「人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会」の設置を決定した。AI活用に伴う消費者問題を切り口に、消費者利益を守るための方策を検討する。
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海外動向も視野に議論
AI技術の進展により、インターネット通販などのデジタル取引で、販売事業者は1人ひとりの消費者の嗜好・関心に沿った商品提案が可能となり、売上増につなげている。販売事業者への問い合わせも、AIを活用したチャット機能によって24時間いつでも行えるようになり、消費者の利便性が向上した。
さまざまなメリットがある一方で、ディープフェイクと呼ばれる著名人の顔・声を合成した広告が容易に作成可能となり、それを信じて詐欺に遭う消費者被害が発生。また、ホテル業界では宿泊料の価格変動制を採用しているが、AIが検索・予約を大量に行ってホテル側のシステムとリンクさせた場合、価格の乱高下が発生する懸念も指摘されている。
専門調査会では、AI技術の社会実装に伴って生じる消費者問題への対応を検討する。消費者委員会の下部組織として設置し、近く議論を開始する予定だ。
EUをはじめとした海外動向を踏まえつつ、実態調査の実施も念頭に置きながら、検討を進めるとみられる。
AIチャットによる契約は通信販売か電話勧誘販売か
出席した委員からは、「デジタル空間の消費者問題は、消費者の努力だけで未然に防ぐことが困難」、「AIを用いた消費者の意思決定への介入といった問題は実感が沸きにくく、そのリスクについての議論が日本は遅れている」という問題意識が示された。
また、商品・サービスを提供するデジタル取引で、AIチャットを用いて契約を締結する場合、通信販売と電話勧誘販売の境界があいまいとなり、消費者トラブルへの対応を困難にしているという課題も挙がった。
中長期的な問題では、「AIも(デジタルプラットフォームの)ネットワーク効果と似たようなことが起こる可能性がある。事前規制なども手法の1つになる」という意見が聞かれた。
(木村 祐作)
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