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2026.01.08 通販支援

ユーザーに深く刺さる表現とパーソナライズを両立…BtoC業界待望のCX変革AIプラットフォームとは?

EC市場の拡大に伴い、インターネット上には膨大な情報・コンテンツが溢れ返っている。エンドユーザーの消費者は、どれを選べば、自分がほしい商品と出会えるのかがわからない。一方、BtoC企業は、いかに自社サイトやブランドに関心を持ってもらうかで頭を抱える。そうした課題を打開するAIプラットフォームを開発し、事業拡大に乗り出したのが、注目のスタートアップ㈱InsightX。同社の中沢弘樹代表に、BtoC企業を取り巻く課題と同社の事業展開について話を聞いた。


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商品棚の単位で提案するレコメンド機能

――まずは、貴社の紹介からお願いします。


中沢弘樹代表(以下、中沢):当社はBtoC企業様に向けて、CX(顧客体験)のパーソナライズを軸としたAIプラットフォーム「InsightX」を提供しています。


エンドユーザーの視点に立つと、膨大な量の情報やコンテンツが氾濫するなか、自分に合うものを見つけることが難しくなっています。その一方で、BtoC企業様ではエンドユーザーが抱える悩みを理解しつつも、それを解決するツールがこれまでなかったと思います。


そうした状況を踏まえて、当社は「シェルフ型レコメンド」をコアプロダクトとしたCX(顧客体験)変革AIプラットフォーム「InsightX」を開発しました。


「シェルフ型レコメンド」は、1人ひとりのエンドユーザーのインサイト(深層心理や無意識の欲求)をデータから読み取り、それぞれに合った商品を商品棚の単位で提案するという機能です。一人ひとりに寄り添った買い物体験を提供することで、エンドユーザーの「ショッピングが楽しい!」という感動を引き出します。その結果、ユーザー一人当たりの滞在時間・購買単価・リピート率などを向上し、クライアント様の売上向上をご支援させていただいております。


このように当社の強みとして、パーソナライズプロダクトの提供があります。もう1つ、BtoC企業様のECサイトを改善するために深く入り込んで支援することも強みです。


ボトルネックとなる部分の分析を含め、ユーザージャーニー(サイト内にランディング・探索・比較検討・購入といった一連の行動)のトレースから、課題の洗い出し、施策の立案まで実施します。さらに、次の改善施策まで深く入り込んで、どんどん改善サイクルを回していきます。


――先ほどお話に出ましたが、国内EC市場のエンドユーザーやBtoC企業様を取り巻く課題について、詳しくお聞きできますか?


中沢:情報社会と言われるようになって久しいですが、エンドユーザーの視点に立てば、膨大な数のコンテンツが溢れています。それに対し、1人ひとりのエンドユーザーが使える時間は増えるわけではありませんよね。


1人ひとりのエンドユーザーが個々のコンテンツに充てられる時間は有限で、コンテンツが増加している分、コンテンツ1個あたりに使用する時間は短くなっているのではないでしょうか。特に、生成AIによってコンテンツの量が爆発的に増えつつあり、エンドユーザーは圧倒されてしまい、自分のほしい物、求めている物と出会うことができない状況が生じています。


次に、BtoC企業様を取り巻く環境を見ると、EC市場の拡大を背景に、EC事業に乗り出す企業様が増えました。しかし、1社・1ブランドにかけるエンドユーザーの時間は、どんどん少なくなってきています。いかに自社のサイトやブランドに来てもらうかという点で、競争がシビアになっているのです。


現在のところ、当社の取引先はファッション業界がメインですが、ファッション企業様にとってはTikTokやNetflixなど、エンドユーザーの余暇の時間を消費するコンテンツも競争相手になってきます。自分の興味関心の強いもので自然とあふれていることから、ことから、そちらに引き寄せられることになります。


BtoC企業様にとっては、エンドユーザーを引き留めることが難しくなっており、深刻な課題に浮上しています。


 

株式会社InsightX 中沢 弘樹氏


細かい粒度でエンドユーザーのインサイトを捉える

――環境の変化に対応したプロダクツやサービスが求められていますが、貴社のAIプラットフォーム「InsightX」によるパーソナライズはどのようなものですか?


中沢:これまで実現できなかった2つの要素を両立させたことが、「InsightX」のパーソナライズの特長と考えています。


1つ目は、商品提案の具体性です。例えば、「あなたにオススメ」という表現よりも、「この冬、〇〇ブランドの新作アウターをオススメします」と表現した方が、「お、確かにこれ探してたな」とイメージが湧くのではないでしょうか?このように、商品提案の内容がより具体的であればあるほど、エンドユーザーに刺さりやすいので、一歩踏み込んだ具体的な表現を重要視しています。


2つ目は、その具体的な表現が、本当にエンドユーザーのインサイトに合っているのか、という“マッチ度”です。具体的に踏み込めば踏み込むほど、「探してるのはそれじゃないんだよな」と刺さらないケースもより出てきやすくなります。そのため、いかに個々のエンドユーザーにマッチする、具体的な表現を適切に探すのか、が重要になってきます。


当社では、これまでのレコメンドやウェブ接客は一つの要素しか満たせていなかったと考えていますと思っています。レコメンドについては、1人ひとりのエンドユーザーごとにコンテンツを変えることは可能ですが、踏み込んでいるかというとそうでもなく、「あなたへのオススメ」という一辺倒の表現で行ってきました。

このため、エンドユーザーへの刺さりは弱く、「なんでこれがおすすめされてるんだろう」「本当に自分におすすめなのかな」と感じられ、離脱してしまいます。


ウェブ接客ツールについては、セグメンテーションなどによって踏み込もうとしていますが、具体的な部分はフワッとしています。グルーピングやセグメンテーションで抽象度を上げないと、意味のあるセグメントを作れず、新規・既存、ロイヤルというように大まかな切り方しかできません。


そこで「InsightX」は、この2つの要素を両立させることを実現しました。1人ひとりのエンドユーザーのインサイトを具体的に捉え、行動ベースで理解することが可能です。その結果、1人ひとりのUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)のアウトプットとして、それぞれ異なる内容を提案できます。


このように、情報の深さとパーソナライズの2つを両立させたことが、当社の強みです。


――具体例を挙げると?


中沢:例えば、アパレルのレディースだと、<30代女性・東京在住>と言っても、あるエンドユーザーでは「柔らかな肌触りの春ニット」「着回し力抜群のカットソー」といった機能を重視する一方で、「オフの日に活躍するデニムジャケット」「ボックスシルエットのパーカー」といったカジュアルスタイルを好む方もいます。


「InsightX」は、このように従来のセグメンテーションでは捕捉困難であった個別ユーザーのインサイトを極めて詳細な粒度で精緻に解析し、それを基盤として、顧客体験(CX)を最大化するための多角的かつ柔軟なパーソナライズ戦略を構築・実行していきます。


改善サイクルを回し続ける

――BtoC企業様のCX変革を支援するために、プロセス全体を通して、貴社ではどのようなサポートが可能ですか?


中沢:プロダクトが導入された後、当社では改善のサイクルを回しています。他社プロダクトの多くは、導入して終わりという傾向がありますが、我々は積極的かつ能動的に改善をリードしていくというアプローチを取っています。


まず、最初のステップとして、エンドユーザーのデータを基に、徹底的な分析を行います。具体的には、サイト内で「どこで困っているのか」「どこでつまずいているのか」といったペイン(不満に感じる点)を定量的に分析します。これに加え、ユーザージャーニーを定性的に把握することで、数値だけでは見えない潜在的な課題をあぶり出し、改善施策の土台となるインサイトを抽出します。


次に、この分析結果に基づき、具体的な改善施策や実装内容を提案します。特に、クライアント様が「実際に何が変わるのか」というイメージを持てないと、なかなか実行に移せません。このため、当社の側で改善を実装し、本番さながらのデモ実装を行った上で提案しています。パーソナライズ機能はコンテンツが固定されないため、「エンドユーザーに対しておかしな提案が出ないか」といった懸念がクライアント様にはあります。私たちは、こうした懸念を払拭するためにも、本番同様の実装を行い、納得していただくという形で進めています。


そして、提案にOKが出れば、すぐにサイトを改善します。このプロセス全体において、当社は単なる「御用聞き」ではなく、提案から実装まで含めて改善をリードしていくのが特長です。改善は一度きりでなく、継続してサイクルを回し続けることで、BtoC企業様のECサイトの成果を最大化させていくイメージですね。


 

20~30人の支援体制を構築へ

――このほど、スタートアップに投資する「シリーズA 1st close」で、貴社が資金調達した背景をお聞かせください。


中沢:今回の資金調達は、当社のプロダクト「InsightX」の新規機能開発・高度化を加速させること、そして、このCX変革をリードする仕組みをより多くの企業様に提供すること、この両面を実現するために実施しています。


事業自体は4年半前にスタートし、「InsightX」事業については2023年1月から本格的に始めました。これまでは、市場での確かな効果を検証するための研究開発とカスタマーサクセスに戦略的に注力してきましたが、その手応えを得られたため、2025年にはステルス的な動きから脱却し、さまざまなBtoC企業様にご利用いただくという本格的な拡大フェーズへと移行しました。


この手応えをさらに確かなものにするため、資金を投じてプロダクトの競争力を一層高め、サービスをより多くの企業様に使っていただきたいと思っています。現在は8人の少数精鋭で活動していますが、この精鋭チームをキープしつつ、20人~30人の支援体制を敷くことによって事業を拡大させる考えです。


――また、「共同代表制」を導入した理由は?


中沢:今後、事業を拡大する際に、自分1人がすべてを見てリードしていくとなると、自分自身がボトルネックになって、物事が進まない可能性もあると考えました。


そこで、創業時から一緒にやってきた佐竹佑基と私が代表を務める「共同代表制」を導入しました。2人が代表を務めることによって、大量で複雑な意思決定を迅速にこなしていきたいと思っています。


――最後に、業界に向けてメッセージをお願いします。


中沢:情報過多と競争激化のEC市場において、BtoC企業様の課題は「いかにユーザーを引き留め、購買行動を最適化するか」だと考えています。


CX変革AIプラットフォーム「InsightX」は、多くの企業様への提供が可能となりました。

従来の限界を超え、極めて詳細なユーザーインサイトと具体的な提案力を両立したパーソナライズを実現します。この革新的なアプローチは、購買単価、滞在時間、売上向上という確かな成果を実証済みです。


「InsightX」の導入は、お客様の事業成長を加速させる戦略的パートナーシップの始まりです。顧客体験の改善に課題を抱えているなら、ぜひ、この確かな効果を体感いただくため、遠慮なくお声掛けください。


――ありがとうございました。



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