2025.05.30 行政情報
「経口補水液」6月1日から取り締まりスタート…確認欄がないネット通販も規制の対象
消費者庁は6月1日から、国の許可を得ずに「経口補水液」とうたった飲料の取り締まりに乗り出す。無許可の商品が出回っていたことを受けて、特別用途食品制度を改正し、許可基準型病者用食品に「経口補水液」を追加。今年5月末までを経過措置期間とし、関係各社に商品ラベルの変更を求めてきた。6月以降、インターネット通販で「経口補水液」を販売する場合には、医師による指示の有無などをチェックするための確認欄を設けなければならない。
記者会見する消費者庁の新井ゆたか長官(5月29日午後)
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無許可の商品は撤退済みか
消費者庁は2023年5月19日、特別用途食品制度の許可基準型病者用食品に「経口補水液」を追加し、施行した。
改正の背景には、無許可で「経口補水液」と表示し、あたかも熱中症や脱水症状に効果があるかのような宣伝が横行していたことがある。これらの症状に適切に対応するためには、ナトリウムやカリウムをはじめとした各成分の配合量や配合割合などが適正に担保されていなければならない。しかし、無許可のスポーツドリンクなどでは必ずしもそうとは限らず、症状を改善できない恐れがあると指摘されていた。
制度改正に伴って無許可の商品については、特別用途食品の許可を得て販売するか、または商品ラベルを改修するかのいずれかが求められることから、今年5月末までを経過措置期間としてきた。
消費者庁の担当官によると、「既に撤退するか、または許可申請するかに2分化しており、ほとんどの商品ではどちらかの方向となっている」(食品表示課保健表示室)という。
「熱中症」訴求は個別評価型病者用食品
「経口補水液」を標ぼうして販売するためには、今回の改正で追加された許可基準型病者用食品の「経口補水液」として申請するか、または個別評価型病者用食品の「経口補水液」として申請しなければならない。
許可基準型の場合、あらかじめ効果に関する文言が決まっていて、「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐の脱水状態に適する」旨を表示する。一方、商品ごとに審査する個別評価型の場合は、企業が表示内容を申請する。例えば、「熱中症」への訴求を希望する場合は、個別評価型として申請し、許可を得る必要がある。
機能性表示食品やトクホと違って、特別用途食品は業界に不人気と言われてきたが、「経口補水液」は例外のようだ。現在の許可件数は許可基準型が14件、個別評価型が15件。総許可件数の約4分の1を占めるまでに増加している。
ネット通販は「確認欄」を用意
「経口補水液」を販売する際には、国が定めた取り組みが求められる。ドラッグストアなどのリアル店舗では、薬剤師などの医療関係者が消費者に対し、医師から指示されているかどうかを確認するための体制を整備する。これに加え、一般的な飲料と明確に区別して陳列することも求められる。病者用食品であるとわかるように、シールやポップなどで説明することとされている。
ネット通販の場合には、確認欄を設けて、購入者にチェックしてもらいながら、申し込み画面へ進むような仕組みが求められる。チェック項目として「医師から指示された場合にお飲みください」「医師からナトリウムまたはカリウム摂取量の制限を指示された場合には、必ず医師の相談、指導を得て使用してください」などを想定。購入者はこれらの確認事項に同意した上で、申し込むことになる。
消費者庁の新井ゆたか長官は5月29日の記者会見で、「経口補水液は熱中症などの症状があるときに利用するものであり、一般のスポーツドリンクとは違う。用途を踏まえてお買い求めてほしい」と呼びかけた。
(木村 祐作)
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