2025.05.02 行政情報
機能性表示食品「PRISMA声明2020」への準拠、一般消費者による選択は6月以降か
機能性表示食品制度の改正によって今年4月1日から、科学的根拠の信頼向上を目的に、研究レビューの国際指針「PRISMA声明2020」への準拠が必須となった。一般消費者が消費者庁の届出データベースを見て、準拠しているかどうかがひと目でわかるようになるのは6月以降となる見通しだ。また、機能性表示食品の景品表示法違反事件を機に、科学的根拠に疑義が出ていた88商品をめぐる問題も“終了”間近となっている。
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機能性表示食品の検索コーナー 消費者に向けて「PRISMA声明2020」を解説
機能性表示食品のデータベース改修、商品購入時の活用を呼びかけ
現在のところ白紙の状態
機能性表示食品の届出の約95%は、研究レビュー(システマティックレビュー:SR)によって機能性を確認している。研究レビューは、国内外のデータベースを活用して、過去に報告された研究論文を網羅的に収集し、科学的根拠を総合的に判断する手法。1報のヒト試験の結果と比べ、多数の研究結果を用いる研究レビューは信頼性がより高いとされている。
しかし、機能性表示食品の研究レビューについては、自社に都合の良い論文のみを採用して判断したのではないかと疑われる行為や、適正に評価していないような行為が横行してきた。
そうした状況を改善するため、消費者庁は同制度の改正により、今年4月1日から研究レビューの国際指針「PRISMA声明2020」への準拠を必須とした。
PRISMA声明2020は、<何を実施して、何を見いだしたのかを正しく報告している>と言うために、研究レビューを実施する際のチェックリストを整備している。従来、機能性表示食品制度ではPRISMA声明2009へ準拠することとされてきたが、2020版は2009版と比べて項目を細分化し、より透明性の高い報告を求めている。
制度改正により、4月1日以降の届出については2020版への準拠が必須となった。それ以前の届出については、変更届出を行うタイミングで2020版への準拠が求められる。
消費者庁は、一般消費者が適切に商品選択できるように届出データベースを改修。検索結果画面のトップページ上に、「PRISMA対応」欄を設けた。2020版に対応しているか否かがひと目でわかるようにし、商品選びに役立ててもらう考えだ。
しかし、現在のところ、すべての届出で「PRISMA対応」欄は白紙となっている。「昨年度中に提出された変更届出についても白紙の状況」(食品表示課保健表示室)という。
消費者庁では各社の届出に対し、記入ミス・漏れなどの事前チェックを行う必要があり、原則として販売60日前(営業日ベース)の届出となる。このため、一般消費者が届出データベースを見て、2020版へ準拠したものかどうかをひと目で識別できるようになるのは、6月以降とみられる。
疑義が生じた88商品の問題も“終了”間近
機能性表示食品の景品表示法違反事件を機に、科学的根拠に疑義が出ていた88商品をめぐる問題が終決しつつある。
消費者庁は2023年6月、機能性表示食品の表示が景表法で禁止する優良誤認表示に当たるとして、販売会社に措置命令を出した。この事件で、表示の根拠として不適切とされた研究レビューについては、他社の88商品にも使用されていた。このため、消費者庁は各社に対応を促してきた。
その結果、現在のところ、88商品のうち80商品が撤回届出を消費者庁へ提出済み。残り8商品についても、遠くないタイミングで撤回届出が提出されるとみられている。消費者庁によると、残りの8商品もすでに販売されていないという。
(木村 祐作)
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