2022.09.13 行政情報
食品添加物や規格基準に関する業務、厚労省から消費者庁へ移管
厚生労働省が所管する食品行政の一部が、消費者庁へ移管される。厚労省の「食品基準審査課」が対象となる。同課の「新開発食品保健対策室」も移管される可能性がある。食品の安全・衛生に直結する業務の移管となることから、課題も噴出しそうだ。

厚労省「食品基準審査課」を消費者庁へ移管
政府の新型コロナウイルス感染症対策本部はこのほど、厚労省の感染症対策を強化するため、厚労省の組織再編を決定。健康局に感染症対策部を新設することと合わせて、「厚労省から食品衛生基準行政を消費者庁へ」移管する方針をまとめた。
政府は来春の通常国会へ関連法案を提出する。食品行政の一部移管は、2024年度の施行を予定している。
詳細は明らかにされていないが、消費者庁へ移管するのは「食品基準審査課」とみられている。同課は、食品や食品添加物、器具・容器包装、残留農薬などのリスクを管理する規格基準の策定を担う。薬系技官などが所属し、高い専門性を必要とする部署だ。
一方、食品製造現場の監視業務や食中毒対策などは、厚労省に残す。
健康食品やゲノム編集食品を扱う「新開発食品保健対策室」も移管の可能性
「食品基準審査課」には、「新開発食品保健対策室」が置かれている。ここでは遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品、健康食品などの安全・衛生対策を所管。「食品基準審査課」の移管に伴って、「新開発食品保健対策室」も消費者庁へ移管される可能性がある。
移管された場合、同室が所管する健康食品の安全対策も、消費者庁が担う。消費者庁は特定保健用食品や機能性表示食品といった各制度に加え、指定成分制度、健康被害情報の収集・公表なども所管することになる。
問われる中立的な制度運用
今回の決定は詳細が不明なことから、不安な面もある。
厚労省の審議会機能が移管されるかどうか不透明な点も、その1つ。消費者庁には審議会の組織がないため、審議会機能や運営スタッフの移管もセットでなければ、部署だけを移管しても機能しないと考えられる。
また、食品添加物や残留農薬などの規格基準の策定で、中立的な判断が行われるかどうかを懸念する声もある。この背景には、司令塔である消費者庁長官の出身母体が産業振興を推進する農林水産省ということなどがある。移管後は、そうした懸念を払拭する取り組みが期待される。
移管によるメリットも
移管によるメリットも出てきそうだ。1つの役所に業務が集中することで、国際交渉に対応しやすくなるとみられる。
食品の国際規格を策定する国連のコーデックス委員会などの場で、交渉力の向上が予想される。
(木村 祐作)
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