2021.12.03 通販会社
AIで物流センターの在庫配置を最適化へ、アスクルが産学連携の実証実験
アスクル(株)と電気通信大学、(株)タイムインターメディアの3者は、物流センターの在庫配置最適化に向けた実証実験を1日から開始した。AI(進化計算)の手法を用いたアルゴリズムの研究開発と高速化を進め、最適化し続けるシステム開発を産学連携でめざす。

1つのオーダーで複数の物流センターにまたがる「個口別れ」の発生解消が目的
実証実験は、アスクルと電気通信大学が在庫配置に関する最適化アルゴリズムを研究開発し、タイムインターメディアは同アルゴリズムの高速化の実現に取り組む。アスクルが全国に物流センターを構えて在庫配置していることで、1つのオーダーにつき複数の物流センターからの出荷による荷物の「個口別れ」の発生解消を目的としている。
電気通信大学の佐藤寛之准教授とアスクルは、2019 年から物流センター在庫品の配置を最適化するアルゴリズム開発の共同研究に取り組み、進化計算の改良を重ねてきた。さらに、膨大な出荷実績データを対象とする進化計算の実現に必要な高速化については、タイムインターメディアが協力することで、今回 実証実験を開始する運びとなった。
複数センターからの遠距離配送の費用が課題に
アスクルの物流センターでの出荷量が増加していることから、物流センターの高度自動化を加速し、併せて生産性向上を図るため、積極的に物流現場のDXを促進している。アスクルでは、1つのオーダーに対しては無駄のないひと箱で受け取れるような出荷形態をとっているが、全国9か所の物流センターをまたいで在庫している商品の影響で、複数の物流センターからの出荷により「複数個口」で配送する場合もあるという。
荷物を受け取る顧客の手間はもちろん、複数センターからの遠距離配送による配送費の増大も課題だ。物流センターの在庫容量や出荷能力、各商品の在庫量、出荷実績データなどを進化計算により最適化することで、商品ごとの適切な在庫配置を算出でき、各物流センターの在庫量を抑制し、最適な配置を可能にしたい考えだ。
22年7月までに全国の物流センターでの在庫配置を最適化へ
さらに、在庫配置最適化の実現に不可欠な、進化計算の高速化をタイムインターメディアが推進し、荷物の「個口割れ」を低減し、遠距離配送費を削減、在庫量の抑制、配送効率向上を図る。実証実験期間終了後は引き続き効果検証を行い、22年7月までに全国の物流センターにおける在庫配置を常に最適化し続けるシステムの開発をめざす。
実証実験は、約3か月間を予定し、アスクルのBtoBの配送を担う全国8か所の物流センターを対象とする。効果検証までのステップは、進化計算により最適化した在庫配置を計算⇒得られた解に基づいた商品在庫配置変更を各物流センターに指示⇒各物流センターにおける在庫配置変更が完了⇒在庫配置変更による効果検証の実施――を想定。これにより、荷物の個口数の低減、在庫量の抑制、配送費削減効果、配送効果などを検証する。
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