2021.11.29 調査・統計
20年度オーガニック化粧品市場規模、5.5%減の1330億円に
(株)矢野経済研究所がこのほど発表した『自然派・オーガニック化粧品の市場調査(2021年)』によると、20年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比5.5%減の1330億円と推計。16年の調査以来(11年度の市場以降)、初の前年度割れになることが判明した。

化学合成成分を抑制し、天然植物原料を配合した化粧品を「自然派化粧品」と定義
「自然派化粧品」は、天然植物原料を主成分とし、化学合成成分の配合を抑制している化粧品。「オーガニック化粧品」は、第三者機関のオーガニック認証を取得、使用原料の大部分を自社および提携農園のオーガニック素材を使用、ブランドラインアップの大部分にオーガニック素材を用いている、のいずれかがあてはまる化粧品――と定義した。
調査期間は9月~10月。自然派・オーガニック化粧品メーカー、販売代理店、小売店、関連団体などから聴取した。それによると、20年度の市場がブランドメーカー出荷金額ベースで初めて前年度を割った要因は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や緊急事態宣言下での店舗休業、時短営業などが大きい。
ナチュラル・オーガニック化粧品が多く流通、訴求力が向上
一方で、サスティナブルな環境を意識したライフスタイルをめざす消費者や、敏感肌と自覚する女性の増加に加え、イメージ先行の市場から、一般化粧品に求められる機能をも有するナチュラル・オーガニック化粧品が多く流通するようになったことで訴求力が高まっており、今後もその市場性を維持するものと考えられる。
20年度の市場で最も大きく変化したのは「販売チャネル」。コロナ禍が収束しても中長期的に影響を及ぼす見通しで、チャネル戦略そのものの方針転換にまで及ぶこととなった。
これまでは、多くがブランドコントロールという視点から、直営店での販売を主軸としてきた。だが、すでに認知が進み一定の店舗網を構築したブランドでは、店舗数拡大施策が成長戦略から外れ、適正店舗の策定に基づく運営と効率化が妥当という考え方に移行している。
実店舗とECルートを総合したチャネル戦略の再構築が課題に
加えて、コロナ禍を契機にECチャネルの重要性が一気に高まっていることから、企業規模を問わず、実店舗の出店とECルートを総合したチャネル戦略の再構築が課題となっている。
20年度の市場は、コロナ禍という特殊要因から縮小に陥ったが、化粧品全体の市場に比べるとその幅は小さかった。要因の一つは、化粧品全体市場がインバウンド消費に下支えされていたのに対し、自然派・オーガニック化粧品市場ではそれが僅かであったことだ。
21年度は、20年度の推計値から2.1%増となる1350億円と予測した。首都圏や大都市圏を中心に断続的な緊急事態宣言下にあったが、下期に入って収束の兆しが見えてきたことで回復が期待される。また、社会に拡がるサスティナブルやSDGsへの関心の高まりは、自然派・オーガニック化粧品市場には追い風とみている。
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