2021.10.07 行政情報
プラットフォームでの個人販売、特商法の表記を条件付で免除…消費者庁
クリエイターエコノミー協会はこのほど、ECサイトに事業者の所在などの表記が義務付けられている「特定商取引に基づく表記」について、個人の場合は個人情報保護の観点から一定の基準を満たせば、プラットフォームの名称や所在を明記することで「特定商取引に基づく表記」は免除される、という消費者庁の見解が示されたことを明らかにした。

個人によるプラットフォーム上の物品販売に個人情報公開の懸念
協会によると、これまでは、「個人」がプラットフォーム上で物品やコンテンツを販売しようとしても、「事業者」に該当すると、特定商取引法により、住所や電話番号などの個人情報を公開しなければならず、大きな心理的ハードルとなっていた。
見解によると、「住所・電話番号」に関しては、特定商取引法上では「現に活動している住所」「確実に連絡が取れる電話番号」が求められる。次の要件を満たす場合は、プラットフォーマーの住所及び電話番号を記載することで法の要請を満たすと考えられる。
個人と消費者の両社にメリットがある見解に
「現に活動している」要件では、「商取引の活動がプラットフォーマー主宰のプラットフォーム上で行われる」こと。いわゆる名義貸しで実際に郵便物が届かないようなケースを排除するためのものだ。「確実に連絡が取れる」要件では、「プラットフォーマーが個人事業者のプラットフォーム上の商取引における連絡先」の機能を果たすことについて、合意していること。
さらに「プラットフォーマーが、個人事業者の現住所と本人名義の電話番号を把握している」こと。消費者側から見て、連絡先としての信頼性が担保されることに加え、個人事業者を相手に単独で交渉を行うよりも、客観的な解決が図られるメリットが期待される。
連絡が取れないケースでは、個人事業者が特商法違反も
なお、個人事業者またはプラットフォーマーのいずれかが不誠実で連絡が取れないなどの事態が発生する場合、個人事業者が特定商取引法違反を問われるおそれがある。プラットフォーマーが問われることはない。電話番号とともにメールや問い合わせ窓口を併記し、それらの連絡手段の利用を推奨することは問題ない。
「氏名」については、売買契約の際に当事者を明らかにするため、戸籍上の氏名や商業登記簿に記載された商号の記載が必要。個人事業者が戸籍上の氏名を出したくない場合は、法人を作ることや、他の法人と販売店契約を結び、販売店を商取引の主体とすることなど、別の方策をとることが必要となる。
消費者から「開示請求」をされた場合、個人事業者の戸籍上の氏名を開示する必要はあるが、住所・電話番号は「現に活動している住所」「確実に連絡が取れる電話番号」「プラットフォーマーが個人事業者の現住所と本人名義の電話番号を把握している」の要件を満たせば、プラットフォーマーの住所、電話番号の開示で問題はない。
BASEは新たな対応を検討へ
これらの見解を受け、協会の代表理事でもあるBASE(株)は、ネットショップ作成サービス「BASE」を利用するショップオーナーに、特定商取引法に基づいて住所および電話番号の開示を求めている現状を披瀝。今後は、ショップオーナーが個人情報を保護しつつブランドを運営し、安心して商品を販売することができるよう、新たな対応の検討を開始するとした。
消費者庁などと協議を重ねてきたクリエイターエコノミー協会は、現在の社会実態にそった環境や支援の仕組みを整えることでクリエイターの活動を促進し、今後もその活性化に向け、個人や小規模事業者が活動を続けるための支援を続けたいとしている。クリエイターエコノミーとは、個人の情報発信やアクションによって形成される経済圏をいう。参加企業39社でつくる協会は、BASEとnote(株)、UUUM(株)が代表理事となり、8月に正式発足した。
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