2021.10.07 行政情報
新経連、岸田政権の新方針『新しい資本主義の実現』に懸念表明
(一社)新経済連盟(三木谷浩史・代表理事)は6日、岸田文雄首相の就任会見を受け、政権の主軸として打ち出した「新しい資本主義の実現」に関する考え方について、懸念を表明。経済界として日本経済再生のためにできることは積極的に対応していく考えを明らかにした。

労働分配率の事実上強制的な変更などに反対
岸田首相は、コロナ後の未来を切り開くための新しい経済・社会のビジョン「新しい資本主義の実現」を掲げ、「実現会議」の立ち上げを表明した。めざすは「成長戦略」と「分配戦略」の好循環。成長戦略にはデジタル田園都市構想や経済安全保障などを挙げ、分配戦略には働く人への分配機能の強化や中間層の拡大、公的価格の在り方の見直しなどを明示した。
新経連はすでに、新政権発足前の9月末に「民にできることは民に。民間が負担するコストや取引費用の極小化をベースにすべき。国家資本主義的な方向性は不適切」と指摘していた。
政権の正式発足を受け、改めて、労働分配率の事実上強制的な変更などを講ずるべきではないとした上、民間のイノベーションを引き出し、それへの投資を促すことで付加価値や生産性向上を図ることこそが、日本経済の構造自体を変革するものとした。これが根本的で持続的な治療となり、まずは成長が最優先だと反論を加えている。
「金融所得課税の強化」に強く反対の意思、近日中に具体策を提言へ
さらに、所得を増やすということ自体への道筋や、達成するための具体的打ち手をより明確にする必要がある。リスクマネーの供給を大きく阻害し、課税計算対象である株価などにも大きな影響を及ぼす金融所得課税の強化に関しては、強い調子で反対の意思を示した。
その上で、個人や法人の活動を活性化し元気づけるためには、個人所得税の最高税率の引き下げ、相続税の引き下げ、法人税の引き下げが必要なこと。また、企業家による社会貢献活動や投資を促すフィランソロピーエコシステムを作ることも重要だと提言している。
成長戦略として進めるべき施策については、規制改革や税制改革等をさらに徹底させることが、所得を増やすための根本的な処方箋という主張とともに、デジタル経済下にあって日本発の産業が生まれるイノベーション環境を作り上げていくことが必要だとした。新経連では、そのための産業政策や競争政策、経済安全保障にわたる具体的な打ち手をまとめた提言を、近日中に発出する予定としている。
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