2021.01.26 通販会社
コロナ禍の飲食店、大型店舗の閉店相談率が増加傾向に
(株)シンクロ・フードと(株)ウィットが運営する飲食店・飲食事業のM&A・譲渡のサポート「飲食M&A by 飲食店.COM」が調査した、2020年に閉店・撤退を検討した飲食事業者の傾向によると、コロナ禍の影響で、団体客や大人数のグループをメインに集客するような大型店舗の閉店割合が、前年に比べて上昇傾向にあることが判明した。
閉店相談は居酒屋、カフェ・バー、カラオケ・スナックなどで増加傾向
20年は緊急事態宣言の発出、外出自粛やリモートワークの普及などで、前年と異なる傾向が見られた。特に影響が強い東京都内を中心に、業態や店舗の広さ、階数での閉店相談割合の推移をもとに、店舗・事業売却を検討した飲食店の実態をまとめた。相談があった飲食事業・店舗の閉店・売却相談から算出。19年のデータと比較分析した。
それによると、20年の閉店相談割合は、居酒屋とカフェ・バー、カラオケ・スナックの3業態の割合が上昇した。居酒屋(前年比6.16ポイント〈P〉増)、カフェ・バー(同4.22P増)と、カラオケ・スナックの同2.33P増という変動がみられた。
時短営業要請やリモート勤務でオフィス街の居酒屋が苦境に
サラリーマン・グループ客向けの居酒屋やオフィス街のカフェは、時短営業要請やオフィスワーカーのリモート化などの影響で営業難に陥るケースが増えたと推察。カラオケ・スナックも3密防止方針や時短営業が影響して、閉店相談率が高まる原因になったと考えられる。
飲食店の場合、業態やターゲット客層によって適切な店舗の広さは異なる。20年に受けた閉店相談は20坪以上の店舗が多かった。顕著だったのは20~30坪の店舗(前年比8.62P増)と30~50坪の店舗(同5.05P増)。次いで50~80坪の店舗(同2.58P増)だった。
おおむね1坪につき1.5~2席の客席を設けることができるが、閉店相談が多かった店舗の傾向は、30~50席以上の客席を持つ中・大規模な店舗が挙げられ、それに反して10~20坪の店舗(前年比14.39P減)、10坪以下の店舗(同2.80P減)となり、小規模店の相談割合は前年に比べて低下した。店舗の階数によっても一定の変化が見られた。1階の店舗の閉店相談割合が前年に比べて13.17P減となり、大きく減少。他の階層についてはすべて上昇した。
東京都内の飲食店の相談は都心で上昇、1位は渋谷区
東京都内で運営している飲食店の閉店相談は、前年比で都心3区(千代田、中央、港)、副都心4区(渋谷、新宿、豊島、文京)の割合が上昇した。中でも、上昇率が大きかったのは渋谷区(前年比8.41P増)、港区(同5.68P増)、中央区(同3.05P増)だった。

該当エリアは、区内各駅の中でビジネス立地・商業立地が締め、20年4月の緊急事態宣言後の各企業のリモートワークや商業施設、店舗の営業自粛の影響を強く受けていると考えられる。歌舞伎町などの繁華街が存在する新宿区は3区に次ぐ上昇率となった。
シンクロ・フードによると、コロナ禍で飲食店は大きな影響を受けており、いまもその状況には改善の見通しが薄い状態が続いている。今後も店舗の閉店は増加する可能性が高く、飲食店の居抜き物件情報が増えていく傾向になると思われる。
うまく事業整理を行うためには厨房設備・内装だけを売却する「造作譲渡」ではなく、商品・サービスなどもまとめて引き継ぐことができる「M&A」での事業引継ぎを検討する事業者が前年に比べ、増えてきている傾向があるという。
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