2020.10.13 調査・統計
不正アクセスによる個人情報漏洩件数、小売業がトップの92万件
(株)サイバーセキュリティクラウドが12日公表した2019年10月から1年間にわたる「不正アクセスによる個人情報漏洩事案に関する調査」によると、最も事案が多かったのは小売業界で全体の24%、うち、約43%が上場企業だったことが明らかになった。
不正アクセスが発生した企業の43%が上場企業
調査は、不正アクセスが原因の被害規模1千件以上100万件未満の中規模の個人情報漏洩事案として合計50件を対象とし、発生した個人漏洩事案を、公表した企業の情報に基づいてメーカー、小売、サービス・インフラ、ソフトウェア・通信、商社、金融、広告・出版・マスコミ、官公庁・公社・団体の8つの業界に分類した。
それによると、個人情報漏洩事案が最も多かったのは小売業界で全体の24%。次いでサービス・インフラ業界が22%、メーカー業界が18%となった。一方で金融業界は6%に留まっていた。また、事案が発生した企業のうち、約43%が上場企業だったことが分かった。中でもメーカー業界の上場企業割合が最も高く67%、次いでソフトウェア・通信業界が50%、サービス・インフラ業界が45%と続いていた。
さらに、業界別の個人情報漏洩件数では、個人情報漏洩事案の数と比例して小売業界で最も多く92万6002件、次いでメーカー業界で59万4753件、サービス・インフラ業界で33万8618件だった。
小売業はセキュリテイ対策が不十分の非上場企業の被害が目立つ結果に
サイバーセキュリティクラウドによると、漏洩事案の上場企業と非上場企業の割合をみると、上場企業であっても不正アクセスへの対策が不十分な可能性があると言え、子会社などを含めたグループ全体での対策強化が必要としている。一方で小売業では上場企業の割合が25%に留まっているものの、被害事案は最も多い結果となり、セキュリティ対策が十分でない非上場企業が被害にあうケースが多いことが分かったという。
消費者向けおよび企業間のEC市場規模が拡大し、EC化率も増加傾向にある中、小売業界では自社でECサイトを運営して顧客情報を扱うケースも多く、サイバー攻撃の標的となる可能性がある。
サイバー攻撃の被害、ブランド毀損・信頼喪失・損害賠償負担など
また、決済サービスなどの脆弱性が注目される金融業界では、他の業界と比較して事案の数や漏洩件数は圧倒的に少ないことも分かった。金融業界では強固なセキュリティが求められる中で、利用者が直接的な被害に合うケースがあるため、件数が少なくとも注目度が高まりやすい傾向にある。
企業が不正アクセスなどのサイバー攻撃の被害を被ると、ブランド毀損や信頼喪失だけでなく、被害調査のための費用が発生したり、損害賠償を負担するケースもある。22年6月までに改正個人情報保護法の施行が決まっており、個人情報漏洩に対する企業の罰金上限が1億円に引き上げられるなど罰則強化も盛り込まれている。同社は、被害を未然に防ぐためにも、自社のサイバーセキュリティを見直すなどの対策の重要性を改めて促している。
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