2020.08.21 行政情報
法改正の効果検証と現状認識を…JADMA、特商法改正方向の報告書に意見書
消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」が19日に取りまとめた法規制強化含みの報告書(案)に対して、(公社)日本通信販売協会(JADMA)は20日、「はじめから規制ありきの検討、議論ではなく、法改正の効果検証と現状認識を幅広い視点で行っていくべき」などとする意見書を提出した。
JADMA万場専務理事「悪質な事業者と健全な事業者の明確な峻別を」
検討委員会は2月から計6回の議論を重ね、報告書(案)をまとめた。主な検討課題を、消費者の脆弱性を狙った悪質商法への対策強化と、デジタル化に対応した法制度の在り方を含むルールの整備とし、デジタル分野では、詐欺的な定期購入商法の厳罰化と、デジタル・プラットフォームを経由した取引などへの対応が議論された。
意見書を提出したのはJADMAの万場徹・専務理事。検討委員会の15人の委員のうちの1人で、JADMAは通信販売に関する苦情や相談など、特定商取引法上の指導的立場でもある。
意見書では、詐欺的な定期購入商法について、「現行法の執行強化と違反行為に対する厳罰化で十分対応できるものと考える」とした上、仮に悪質業者にターゲットを絞って規制強化するというのであれば、規制の要件を具体的かつ明確に規定し、健全な事業者とは明らかなる峻別を願う」とした。
規制強化で大きな影響を受けるのは悪質商法でなく健全な事業者
併せて、「悪質商法に対しては法執行の強化、罰則の強化については必要との認識は共通しているが、健全な事業者に対して影響を及ぼすことがないよう、予見可能性を確保することは極めて重要である」とも明記。法改正され規制が強化されれば、健全な事業者であっても少なからず影響を受けるのは必至で、「過去の改正でも、広告表示の修正や表示と受注システムの変更などを強いられたのは健全な事業者だった」
また、消費者被害の拡大防止については、法規制の強化、行政処分だけで実現できるものではなく、互いに情報を共有し、消費者に対して警戒情報のアラートを速やかに発信できる「悪質商法早期警戒システム(仮)」を構築して広報するとともに、消費者自身も社会生活を営む上での必要な知識の習得を積極的に行うべきという意見を展開するとともに、消費者庁に検討を呼びかけた。
新たな規制の「ファクト検証」が少なさを指摘
検討委員会の資料は、法改正の目的や規制内容の説明、なぜ新たな規制を導入するのか、などの説明が多く、ファクトの検証が少なかったという。特定商取引法は過去10回程度改正を重ねてきた。政策立案に際して過去の検証、法改正による想定した効果は何で、どれほど効果が実現できたのか、またはできなかった場合はなぜかを検証すべきとした。
また、デジタル・プラットフォームを経由した取引などへの対応として、「特定商取引法でどのような対応をとるかは、他の検討会及び特定デジタル・プラットフォームの透明性、公正性の向上に関する法律の動向を踏まえながら検討すべきで、拙速に規制ありきの議論はすべきではない」と主張。もし規制するとしても、出店者の身元確認など、最低限にすべきとした。
「多くの中小企業がデジタル・プラットフォームに出店し、地方の経済活性化に寄与していることも事実であり、悪質な出店者については デジタル・プラットフォームの自主的活動と行政、業界団体を含めた情報連携により対応は可能ではないか」との意見も投げかけている。
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