2020.01.09 通販支援
ファンケル、3社共同研究で尿からの鉄分測定手法を開発
(株)ファンケルは8日、尿から鉄分の充足状態が判定できる方法を開発したと発表した。(株)古河電工アドバンストエンジニアリング、アドテック(株)と取り組む「健康状態を把握する測定技術の開発」による成果で、実用化し、顧客サービスに活用したい考えだ。
「フェリチン」測り鉄分充足を判定
3社が携わって開発中の技術は、血液採取などで体を傷付けることなく、唾液や尿などの採取可能な試料中の成分を測定する方法だ。すでに、唾液に含まれている鉄分に関係するタンパク質「フェリチン」を測定し、鉄分の充足状態を判定する方法を開発している。
今回はその技術を応用して、尿にも微量に含まれる「フェリチン」を測定し、鉄分の充足状態を簡単に判定する方法を開発した。
鉄分は生命の維持にとって必要不可欠な栄養素だ。ファンケルによると、世界では16~20億人が鉄欠乏と推定される。鉄の欠乏は疲労感やさまざまな活動の低下を招き、イライラ感の増大や記憶力、学習能力、認知機能、運動機能などの低下を引き起こすという。
日本では、20~40代の女性の約50%が貧血もしくは潜在的な鉄欠乏状態であると報告されている。潜在的な鉄欠乏状態になると、体内に酸素を運ぶ血液中にあるヘモグロビンよりも先に、鉄分を貯蔵するために必要な「フェリチン」が減ることが分かっている。
こうしたことから同社は、「フェリチン」を簡単に測定し、鉄分の充足状態を知った上で、食生活などの生活習慣の改善や維持が重要と考え、開発を進めてきた。
特殊チップ開発で測定可能に
短時間の測定を可能にしたのは、特殊な「チップ」の開発だ。唾液中の「フェリチン」を迅速に検出するために用いた、毛細管現象を利用した抗原抗体反応で測定する技術を生かし、被験物質と蛍光粒子との結合部を一体化したチップを開発。尿をチップに滴下し、軽量で小型の測定装置に入れて15分後には結果が分かる。
尿中の「フェリチン」の濃度に応じて蛍光の強度が変化することで鉄分の充足率を判定でき、20~60代の日本人男女約300人を対象に血液と尿を採取し、それぞれの「フェリチン」 の濃度を測定した結果、測定結果と血液検査による体内の鉄分の充足率の関係性が明確になったという。
近日中に実用化→商品開発へ
同社は、尿を用いて簡単に鉄分の充足状態を測定する技術は、不足しがちな栄養素の情報を利用者に提供できると考え、近日中に実用化させるとともに、健康増進に役立てるサービスにつなげていく考えを示している。
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