2019.10.24 通販支援
台風19号、EC・通販業界被災地支援の輪広がる
1都12県に大雨特別警報が出された過去最強クラスの「台風19号」は、各地で大規模な被害をもたらした。物流面など通販業界にも重大な影響を及ぼし、いまだに従前の状態に戻っていない企業もある。そんな中、通販事業者による被災地支援の動きが広がっている。EC事業が持つ得意分野を生かした活動が特徴的だ。

東京都内に倉庫を置く通販、EC業者などは、荷物の集荷、出荷に大きな影響が出た。実店舗の休業に伴って停止を余儀なくされたECサイトもあった。物流会社によると、いまだに受付を停止している地域や、配送に遅れが出ているエリアがある。そんな現状だが、支援の動きは広がり、独自の義援金をはじめ、自社サイトや直営店舗での募金活動を中心に取り組んでいる企業は少なくない。
大手企業の中には、地方自治体や、市民団体と企業でつくる緊急災害対応アライアンスと「災害協定」を結んでいる企業もある。そんな企業をはじめとして、現在も効果的な支援活動が続々と続いている。
17年発足のSEMAも稼働、グンゼは肌着4000枚を提供
グンゼ(株)は、緊急災害対応アライアンス「SEMA」の要請に基づき、これまでに肌着(紳士、婦人、子ども)約4000枚を長野市の避難所など3か所に届けた。栃木県内のグンゼ物流(株)宇都宮物流センターから出荷した。現地ニーズの変化から、当初の届け先が一部変更になる突発事態もあったが、無事に届けられた。今後も被災地からの要請に応じて対応するとしている。
全国に約2万2000店舗を持ち、ネットスーパーも展開するイオン(株)は、約650の自治体と約850の「協定」を結んでいる。災害時の支援物資提供もその一つで、台風が上陸した12日の前日から始め、被災各地へ向けて波状的に食品や日用品を送り続けている。総点数は24万3000点余(22日17時現在)に及んだ。
支援は物資にとどまらず、イオンの従業員約80人が28日から31日までの4日間、茨城県と栃木県内で家屋の片づけや清掃、ごみの撤去などのボランティア活動を計画している。
ファンケルは募金活動や自社サプリ提供を実施
(株)ファンケルは企業としての義援金と併せ、従業員が社会貢献を目的に積み立てている給与天引き型の「もっと何かできるはず基金」からも拠出。日本赤十字社を通じて寄付した。
また、公益社団法人 日本栄養士会に、支援物資としてサプリメントや青汁を計500個を提供。「快腸サポート」「ビタミンB群」「ビタミンC」「マルチミネラル」「1 日分のケール青汁」などで、要望があった長野県と茨城県で活用されているという。
(株)さとふるは「令和元年台風19号被害 緊急支援募金サイト」を開設。現在までに取り扱っている自治体は36自治体になった。サイトでは、ふるさと納税制度を活用して被災自治体に1000円から1円単位で寄付することができる。さとふるは、自治体から収益を得ないだけでなく、寄付決済手数料を負担。被害の状況と自治体からの要請により、今後も掲載自治体が追加される可能性がある。
大手モールはポイント使える募金で被災地支援
大手ECモールも同様の支援活動を展開している。楽店(株)は楽天スーパーポイントも使えるインターネット募金「スクラッチ募金」」を11月13日まで実施。Yahoo(株)でもTポイントが使える募金を募っているほか、「セーブ・ザ・チルドレン」など、過去の自然災害での知見を活かした活動を多方面のボランティア団体と協力して取り組んでいる。
アマゾンジャパン合同会社が提供する「ほしい物リスト」機能を活用した、一般からの寄付も増えている。自治体やなどによって支援物資として登録された商品をアマゾンの利用者が購入することで、必要な物資を必要な分だけ届けられる仕組み。日ごろから利用している通販の延長で、寄付者には気軽さも伴い、募金などと比べて使途が明確なのも特徴だ。
こうしたネット支援の取り組みに併せるように、災害の復旧支援にインターネットサービスやSNDなどの活用も進んでいる。
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