Ｂ２クラウドの接続不安定、「手書き伝票で対応を」

　ヤマト運輸は９月２５日、遅くとも１３時以降に「Ｂ２クラウド」のログイン画面において、「接続エラー」に関する案内文を掲載した。これによると、案内文掲載時点（２５日１３時）で「接続しづらい状況が継続」していると記載されている。

管理画面に掲載された接続エラーに関する案内文（※編集部がキャプチャ）

　対策としては、「接続しづらい場合は、数分待って再度接続していただけますようお願いいたします。どうしても接続できない場合は、大変恐れ入りますが、複写式伝票（＝編集部注：手書き伝票のこと）での出荷をお願いいたします」（案内文）ともしている。

２５日１８時現在で「原因不明」「復旧めど立たず」

　通販通信がヤマトホールディングス広報に取材したところ、２５日１８時現在で、「復旧のめどがっていない状況。障害の原因も調査中」とし、「復旧に向けての対応状況は随時ご案内する。多大なご迷惑をお掛けし誠に申し訳ない」と陳謝した。

　完全にＢ２クラウドが利用できないわけではないようだ。通販通信の取材に応じた、地方でアパレルＥＣを運営するＡ社によると「管理画面にログインできたり、できなかったりという状態が続いている」のだ。「ＩＤ／パスワードを入力して、そもそもログインができないときもあれば、ログインはできてもログイン後の作業でページ遷移する際にエラーになるなど、いろんなタイミングでエラーが発生してしまい送り状発行が思うようにできない」（Ａ社）という。

ネコポス・宅急便コンパクトの代引きなどＢ２クラウドなしで荷物番号発行できず

　Ｂ２クラウドの障害によって、「ネコポス」など特殊な宅配形態は手書きなど代替の手段がないものもあるという。ヤマトＨＤ広報によると「ネコポスと国際クール便、コレクト利用（代引き）の宅急便コンパクトについては、Ｂ２クラウドからしか荷物番号が発行できない」のだ。今回の障害は、ヤマト運輸自体のシステムにも影響があるため「営業所などで印字することも難しい」（ヤマトＨＤ広報）としており、完全に発行ができないわけではないものの、復旧する以外には打つ手なしの状況だという。なお、ヤマトＨＤ広報は「時間をかけて何とかネコポスの送り状が印刷できた、というお客さまもおり完全に発行不能な状態というわけではない」と補足した。

ＥＣ事業者からは悲鳴、入金サイクルにも影響

　前出のＡ社は「ネコポス出荷が行えなかったことにより、連休中の注文商品の出荷がずれ込んでいる。モールの売上金の締め日にも影響し、入金サイクルが崩れてしまっている」と嘆いており、今回の障害がＥＣ事業者の資金繰りにも影響が及んでいるケースがあるようだ。

　人件費もかさんでいると嘆く。「完全に使えないわけではないので、ログインを何度も繰り返したり、お客さまへの出荷遅延の連絡などで２４日は残業が多く発生してしまった。出荷ができないことにより、売り上げがたたないのに経費がかさむという状況が発生してしまっている」と悲鳴をあげる。