2018.10.15

中国EC最大のイベント「独身の日」、今からできる直前対策とは?

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中国最大のECイベント「独身の日」(11月11日)が目前に迫るなか、今からでも間に合う直前対策はあるのか――。(株)Nint(ニント)はこのほど、(株)unbotと(株)アドウェイズと共同で、中国最大のショッピングイベント「独身の日(W11)」直前対策セミナーをアドウェイズ本社のセミナー会場で開催。中国越境ECの最前線で日本企業をサポートする3社が、今からでも間に合うW11対策を発表した。

 

 

中国のEC市場は100兆円、成長率30%

Nintは、中国越境ECのトレンドや市場動向がわかるデータ分析サービス「Nint For China」や、越境ECだけでなく中国国内を含めた中国ECモール内のショップ動向がわかるサービス「情報通」などを提供している。

 

(株)Nint取締役の吉野順子氏

 

 Nint取締役の吉野順子氏は、「中国のEC市場は100兆円の規模で、30%増を続けている。中国では日本のように独自ドメインでECサイトを展開するというより、主要なプラットフォームに商品を出品するのがメイン」と話し、プラットフォームの市場規模や特徴を説明。「中国のECプラットフォームは、天猫と京東が大きなシェアを持っているが成長率は緩やかになっていきている。そのような状況で、15年に設立された拼多多(ピンドウドウ)は、成長率250%と急成長している。アリババと京東という2大プラットフォームがありながら、新たなプレイヤーが出てきていることから、中国EC市場には伸びしろが大きいことがわかる」とし、中国EC市場が今後も成長を続けていくと説明した。

 

 

「独身の日」「618」は中国の2大ショッピングイベント

 中国の2大ショッピングイベントである「独身の日」「618」の市場規模は、「独身の日」が天猫で約2.8兆円、京東で約2.1兆円となっている。18年の「618」の実績は、天猫が2.3兆円(同社推計)、京東は約2.7兆円だった。これは日本の大手ECモールの年間の流通額に相当する数字で、中国国内だけでなく、海外からも注目集めるイベントになっている。市場規模では「618」が急伸しているが、吉野氏は「618はイベント規模からみても、独身の日に近づいている」とコメントした。

 

 2大ショッピングイベントのインパクトも大きく、17年の天猫・京東の流通規模のうち、「独身の日」が占める割合は25%、「618」は14%だった。

 

 

 

「618」の売上はばらける傾向に

 また、今年の618の傾向からは、セール当日だけでなく、期間中に売上がばらけることがわかってきている。618は6月1日から20日まで開催されるのだが、折れ線グラフでは、1日・16日・18日に売り上げの山ができている。17年は「618」の当日のシェアが高かったが、18年はシェアが下がっている。吉野氏は「特に天猫で、売上の分散が顕著になっている。広告のやり方を含めて、手法が変わってきていることがわかる。今年の独身の日でも、一部のプラットフォームでは同じような現象が起きるのでは」と予測した。

 

越境ECは「BtoC」より「CtoC」?

 同社が集計した越境ECの主要プラットフォームのシェアは、CtoCのタオバオがトップになっている。中国国内のECでは、CtoCよりBtoCのシェアが大きいのだが、越境ECだと逆の状況。なぜこのような状況が起きるのだろうか? 吉野氏は「越境ECでは、ほしい商品のすべてがECプラットフォームで手には入っていない。企業側が提供していないから、中国の消費者はCtoCで購入しているということになる」と説明した。

 

 このことは、ユーザーがほしい商品があるのに、企業が商品をまだ提供できていないということで、タオバオで流通している人気のジャンルを見れば、企業が何のジャンルで商品を展開すれば受け入れられやすいのかがわかるようになる。

 

 

越境EC参入には「アパレル」「時計・アクセサリ」などが狙い目か

 中国越境ECの18年上半期の上位カテゴリをプラットフォーム別に見ると、インバウンド需要も高い「美容関連商品」が、「京東WW」を除く3つのプラットフォームで1位となっている。「タオバオGlobal」では、2位が「アパレル」、3位が「時計・アクセサリ」、4位が「マタニティベビー」となり、他のECプラットフォームと異なるジャンルが上位に入っている。吉野氏は「タオバオGlobalで2位から4位に入っているカテゴリは、越境ECでも受け入れられやすい。また、京東はもともとデジタル家電が強いプラットフォームで、越境ECでも圧倒的にデジタル家電のシェアが大きい」と話した。

 

 これらのデータは、同社のデータ分析サービス「Nint for China」や「情報通」などから分析されたデータで、同社のサービスでは、各プラットフォームのカテゴリやブランド、商品ごとの売上・販売価格・販売数量・上位販売ショップの売上などがわかるため、すでに越境ECを開始している日本企業や、これから開始する企業の利用が広がっているという。

 

 

W11までに準備することは?

 中国市場でEC事業、越境ECサポート、インフルエンサーを活用したマーケティング事業などを展開するunbotの福積亮氏は、W11までに準備すべきこととして、「広告の実施」「APP最適化」「CS対応」「バイヤーとの関係」を挙げた。

 

 また、広告展開について、「サイト内広告」と「リスティング広告」をともに実施することが、最も投資効果が高いと指摘。また、リスティング広告やキーワード検索の流入先は、モバイルからの閲覧を考慮した見やすい商品詳細ページにすることを提唱した。

 

 

 

中国ではフェイクニュースも深刻に

 アドウェイズは、海外転送サービス「楽一番」、海外広告サービス「GANet」、サプリサービス「ショッピングスキャン」という海外EC消費動向を掴む3つの情報サービスを提供している。また、中国の百度検索やSNS検索では、フェイクニュースも多く、同社ではフェイクニュースを削除・修正するサービスも実施している。11月上旬には、越境EC向けのアフィリエイト広告サービス「グローバルEC向け成果報酬型広告サービス」を開始する。

 

 

割引価格の提供、スピード配送の実現を

 クロスバウンドビジネスグループの堀井良威氏は、「対中国ECへの取り組み方パターン」を紹介。EC事業者にとって、最も難易度が低いのが、転送サービスなどを利用し、日本の自社サイトで中国の消費者向けに商品を販売することで、最もハードルが高いのが、中国で現地のプラットフォームに出店することだとした。また、同社がサポートし、自社ECから中国に向けて越境ECを展開し、成功している事例を紹介した。

 

 

 「独身の日」対策としては、「価格をさげること」(年間最安値に挑戦)、「早く届けること」(3日以内に挑戦)の2つを提言した。

(山本 剛資)

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