2017.02.20 事件・トラブル
アスクル物流センター火災、排煙設備不足で延焼が長期化か
アスクル(株)の物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏」(埼玉県入間郡三芳町)で16日に起きた火災は、火災発生から4日を経過した20日現在(15時)も、消火の見通しが立っていない。
三芳町はアスクルの西側にある6軒16人に避難勧告を出し、3世帯10人が民間宿泊施設に避難している。また、マスコミ報道で建物が倒壊する可能性が報じられているが、現地の消防によると「倒壊する恐れはない」(11時52分現在)としている。三芳町は火災で発生する煙について、マスクの着用を呼びかけ、同社での現地でマスクを配布している。
埼玉県危機管理防災部が発表した焼損面積は、約4万5000平方メートル。入院していた従業員2人は17日に退院した。同社は「ALP首都圏火災対策本部」を立ち上げたほか、24時間受付の専用ダイヤルを設置し、対応にあたっている。
19日には2度の爆発があり、化粧品などのスプレー缶に引火した可能性が指摘されている。同社は「鎮火できずに倉庫内に入れないため、損害の状況や燃焼した商品などについては不明」としている。 また、今回の火災により、法人向けオフィス通販「ASKUL」と、個人向けネット通販「LOHACO(ロハコ)」の注文受付を一時停止していたが、16日18時に再開した。現在、「ASUKUL」は、一部エリアで配送予定が1日遅れ、「LOHACO」は東日本エリアの配送が通常より1~2日遅れている。
今回の火災被害が拡大する原因として、建築設備の専門家は、物流センターの構造上の問題点を指摘した。物流倉庫では、温度管理の面などで、窓の数が少ない。また、建物が倉庫のため、換気扇はあっても、排煙口がない可能性ある。このため、火災が起きた場合は煙が排出されずに建物に充満し、消防が建物に入れずに消火活動が遅れているのだ。
同社によれば、同施設にはスプリンクラーも設置しており、建築基準法・消防法などの関連法規に基づく火災対策を行っていたという。
建築基準法では、延べ面積が500平方メートルを超える建物には、床面積100平方メートル以内ごとに、排煙口などの排煙設備を設けなければならない。しかし、学校、体育館、不燃性の物品を保管する倉庫などは、排煙設備の設置対象外となる。このため、法律上は違法ではないのだが、同物流センターも排煙設備が不十分だった可能性がある。
まだ鎮火されていないため、被害の全容は不明だが、総工費約200億円となる最新の物流施設が、その大半を焼損している。倉庫内に保管されていた商品の焼損を含めると、被害額は相当な額に上ると見られる。同社によると、物流センターは火災保険に加入しているが、出火原因がわからないため、保険が適用されるかは不明としている。
(山本剛資)
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