2023.11.14 調査・統計
「宅配クライシス」が現実に!? 軽貨物運送業者の倒産が過去最多…帝国データバンク
帝国データバンクが13日発表した「軽貨物運送業界」の倒産状況から、1~10月までの軽貨物運送業者の倒産が過去最多を更新したことがわかった。この傾向が続けば、「宅配クライシス」が現実となる可能性もあるとしている。
1~10月に35件の倒産発生
調査は10月31日までの期間、負債が1000万円以上あり、法的整理によって倒産した軽貨物運送業者を集計対象とした。個人宅への配送など「ラストワンマイル」を担う軽貨物運送の倒産は、1~10月に35件発生。すでに22年通年の22件を上回り、過去最多を更新した。
軽貨物運送ではフリーランスの委託ドライバーや小規模零細企業が多く、件数に表れない廃業などを含めると、より多くの軽貨物運送業者が淘汰されている可能性があると分析している。
2022年度に「業績悪化」は56.9%
また2022年度は、軽貨物運送の23.9%が「赤字」、減益を含めた「業績悪化」は56.9%と半数超に上った。コロナ禍のネット通販需要の高まりから、個人向けの小型荷物などを扱う軽貨物運送の参入が相次いだ。一方、EC荷物は小口・多頻度化が進み、細かな時間指定も求められる。個人宅向けでは、再配達などによるドライバーの残業増を含む人件費や、燃料価格高騰によるコスト負担も増加している。しかし、荷物1個あたりの運賃単価の引き上げは難しいほか、他社への再委託など多重下請構造を背景に、コスト増に見合う運賃収入が得られていないという。
24年以降は、時間外労働の上限制限によりドライバー不足が表面化する。また、参入業者の増加による低価格競争の激化やインボイス制度導入によるコスト増など課題は山積みだ。帝国データバンクでは、今後も事業継続を断念する中小軽貨物運送業者が増加すれば、「宅配クライシス」が現実となる可能性もあるとしている。
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