25年時点で年間700トン以上のCO2排出量を削減へ

　宅配便には荷物の送り先などの情報を記載した伝票が貼付されている。2021年度の宅配便取扱個数は49億5323万個で、前年度比で2.4％増加（国土交通省調べ）しており、荷物に貼付する送り状の「ラベル伝票」の数量も増加している。
　DNPはこの「ラベル伝票」について、環境配慮型製品への切り替えを進めることで、25年時点で年間700トン以上のCO2排出量の削減を見込んでいる。
　デジタルネットワークの進展とスマートフォンなどの情報端末の普及に加え、コロナ禍での外出制限などもあり、オンラインショッピングの利用が広がっている。配送量が増えるにつれて、荷物に貼付する送り状の「ラベル伝票」も増加しているが、従来は剥離紙の製造工程で有機溶剤が使われており、剥離紙の製造時に揮発した有機溶剤を回収して燃焼処理する工程でCO2が排出されていた。

有機溶剤を使わない剥離紙に変更

　DNPは、その排出量の削減に向け、有機溶剤を使わない剥離紙に切り替えることでCO2の排出量を抑えた「ラベル伝票」を開発した。異なる用紙を複数の層に重ねて貼り合わせる製品は、一般的に反りや歪みが発生しやすいという課題があったが、この課題に対して今回、材料構成や工程の工夫で、従来品と同等の品質でを製造できるようになった。
　今後は、DNPグループで製造する大半の「ラベル伝票」を環境配慮型に切り替えていく予定で、また、「ラベル伝票」以外の製品でも、環境配慮型の製品への切り替えを検討していきたいとしている。

　▽関連記事
　【物流配送状況】日本郵便/ヤマト運輸/佐川急便/西濃運輸/福山通運
　国交省、荷主・物流事業者向けの24年問題対応ガイドラインを策定
　▽関連資料
　品質と効率を両立！　アパレル物流 3PL事例集