2022.10.24 行政情報
通販の定期購入に関する消費者相談、改正特商法施行後も高水準で推移
通販の定期購入対策を盛り込んだ改正特定商取引法が6月1日に施行されたが、その後も引き続き、消費者トラブルが高水準で発生していることが21日、(独)国民生活センターへの取材でわかった。

(独)国民生活センターの調べ
(独)国民生活センターの調べ
4~5月に悪質業者による“駆け込み需要”も
改正特商法は、健康食品や化粧品などの悪質な定期購入商法から消費者を守るために、「取消権」や「直罰」を導入。申し込みの最終確認画面に記載する表示項目を定め、契約解除の妨害の禁止などを盛り込んだ。
取材では、同センターに今年度(4月から直近まで)の消費者相談件数を聞いた。健康食品・化粧品・飲料・電子タバコ・医薬品などの通販による定期購入を対象とした。
同センターによると、改正特商法の施行前の4月は6720件、5月は7317件に達し、どちらも前年の4821件、5923件から大幅に増加。前年度で最も多かった今年3月の6200件を大きく上回った。その背景には、6月1日の改正特商法の施行を前に、悪質業者による“駆け込み需要”があったとみられている。
6~9月の相談件数は前年から微増
改正特商法の施行後の6~9月(合計)は、前年度の2万60件から22年度には2万772件に増えている。
月別で見ると、6月が6137件(前年同月5633件)、7月が4929件(同5086件)、8月が5122件(同5316件)、9月が4584件(同4025件)。施行後も前年並みの水準で推移している様子がうかがえる。ただし、6月などは施行前に結んだ契約によるトラブルも含まれると考えらえる。また、9月については未登録分もあり、今後さらに増加すると予想される。
同センターでは、改正特商法で定めた表示項目について、「販売サイトを見ると、不備があったり、スクロールを多くしないと表示されなかったりするものもある。相談件数は減少傾向にあるわけではなく、高い水準で寄せられている」(相談情報部)と話している。
「化粧品」は急増、「健康食品」は減少傾向
次に、商品別の相談件数を見ると、今年4月から10月20日までの合計数で最も多かったのは「化粧品」の2万4052件。続いて「健康食品」の7800件、「電子タバコを含む他の教養娯楽品」の1431件、「医薬品」の893件、「飲料」の450件となっている。
前年同期と比べて「健康食品」が減少する一方で、「化粧品」が急増。「電子タバコ」「医薬品」も増加傾向にある。
また直近では、新たな悪質な手口が登場。購入回数の条件がない定期コースの申し込み完了後に、「特別割引クーポン」の利用を勧め、クーポンを利用すると回数縛りのある定期コースに変更されるという。
改正特商法の「取消権」、じわりと効果も
相談件数は高止まりの傾向にあるものの、法改正の効果もじわりと出始めているようだ。
改正特商法は、定期購入契約でないと誤認させるような表示によって消費者が申し込んだ場合に、申し込みの取り消し(取消権)を認める制度を導入。
同センターによると、相談現場では「申し込みの取り消しを助言するケースもあり、取消権の効果が出ている」(相談情報部)という。
業界側も改正特商法への対応を手探りで進めているのが現状で、法改正の効果を見極めるには、もうしばらく時間がかかりそうだ。
(木村 祐作)
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