化粧品関連事業は売上14％減

　売上高は、コロナ禍の影響で国内およびインバウンド需要が落ち込み、主力の化粧品関連事業と栄養補助食品関連事業が減収となった。営業利益は、販売費と一般管理費で広告宣伝費の効率的な使用に努めたほか、販売手数料などの変動費が減少したものの、売上減による売上総利益の減少などで減益となった。

　化粧品関連事業の売上高は前期比14.2％減の651億4000万円、営業利益は同32.4％減の79億5400万円だった。売上高の内訳は、通信販売が同10.1％増の320億1700万円で構成比49.1％。店舗販売は同39.1％減の180億7800万円で、27.8％、卸販売ほかが同15.1％減の77億2600万円で、11.9％、海外が同9.1％減の73億1700万円で、11.2％だった。

通販と中国向け越境ECが好調

　ブランド別では、ファンケルの売上高が前期比16.5％減の496億3700万円で、構成比は76.2％。店舗販売から通信販売への積極的な誘導や外部通販の強化で増収となったが、通販以外の減収が影響した。アテニアは同2.7％減の180億7800万円で、19.0％。通信販売と中国向け越境ECが好調な海外が増収だったが、店舗販売が減収とった。また、bosciaは同13.9％減の24億2100万円で、3,7％。専門店や百貨店などへの販売が減少した.

　栄養補助食品関連事業は、売上高が前期比6.4％減の411億9100万円、営業利益は同23.1％増の50億4200万円となった。こちらも店舗販売から通信販売への積極的な誘導や定期販売、外部通販の強化で、通信販売が同14.5％、海外が同19.8％の増収となった。店舗販売（同35.4％減）と卸販売ほか（同9.0％減）がコロナ禍の影響で減収となった。

中経では3年間で売上は58億円増加・営業利益も31億円増加

　今期が最終の中期経営計画「実行2020」（18～20年度）の総括では、売上高が18年3月期の1090億円から、2度の過去最高益更新を経て1149億円と約58億円増加し、営業利益も84億円から115億円に成長。国内のファンケル化粧品、サプリメント事業がけん引した。機能性表示食品は中経期間で売上230億円となった。

　また、キリンホールディングス（株）と資本業務提携し、多くの連携商品などを生み出してきた。4月にはサプリメント生産の専用工場が稼働するなど、経営基盤強化も進んだ。

次期中経は「前進2023」コロナ禍の逆境を解消へ

　次の中期経営計画となる「前進2023」（21～23年度）では、コロナ禍で生じた逆境の解消に取り組むほか、国内外での持続的な成長をめざす。インバウンド需要を織り込まない24年3月期の売上高は1200億円、営業利益は150億円を見込んでいる。

　その初年度となる22年3月期の通期業績予想は、売上高が前期比5.1％減の1090億円、営業利益が同3.7％増の120億円、純利益は同1.0％増の81億円を見込んだ。「前進2023」のチャレンジの一つに掲げる「ファンケルらしいOMOの推進」の取り組みを強化。商品の独自性と、強みであるマルチチャネル（通信販売、店舗販売、卸販売、海外）をフルに活用、顧客体験価値の最大化を図るとした。