2019.12.20 行政情報
除毛グッズで皮膚障害+定期購入トラブル多発、国センが注意喚起
国民生活センターは19日、クリームなどの除毛剤の使用による顔などへの皮膚障害の危害件数が多発していると発表。消費者への情報提供とともに、業界・事業者へ対応を求め、商品を取り扱うインターネットショッピングモール運営事業者にも、適切な管理の協力を依頼した。

記者発表で用意された除毛グッズのテスト銘柄10品目(事業者への配慮として商品名が特定できないよう国民生活センターがマスキングを施した)
記者発表で用意された除毛グッズのテスト銘柄10品目(事業者への配慮として商品名が特定できないよう国民生活センターがマスキングを施した)
除毛剤による危害情報が738件
センターによると、「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)」に2014年度以降、除毛剤や脱毛剤が起因して赤み、かゆみ、痛み、腫れなどが生じたという危害情報が738件寄せられている。従来から女性の割合が高いが、最近は男性がひげを除去するために使い、顔などに皮膚障害を負ったなどの事例が増加傾向にある。

危害相談の7割が定期購入トラブル
同時に、総額数万円の定期購入契約のため、解約したいという相談内容も多数みられるという。738件のうち、通信販売での「定期購入」に関する相談は548件で、約74%。特に17年度以降、多くの割合を占めてきている。
今年度までの危害件数の集計によると、14年度は男性0件、女性2件。15年度は男性が1件、女性が4件。16年度は男性が5件、女性が10件。17年度は男性が25件、女性が257件と急増。18年度は男性44件、女性は72件となり、19年度は男性138件、女性179件と増加傾向を示している。
ヒゲ脱毛用途で20代男性の相談急増
危害情報の内訳は、男性が208件で、20歳代が68件、女性は502件で40歳代が157件で、それぞれ最多。「皮膚障害」が約98%を占め、危害程度は「医者にかからず」が約89%を占めていた。部位では、男性は「顔面・頭部」(41%)、「脚」(約36%)と多く、女性では「腕・手」(約53%)、「脚」(約32%)が多くなっている。
センターでは、ウェブサイトでの表示から、男性用、女性用と思われる商品各5銘柄の商品本体とパッケージ、取扱説明書などの表示調査をした。その結果、いずれも医薬部外品の有効成分がチオグリコール酸カルシウムだった。「顔」に使用できる銘柄はなく、「デリケート部分」は、使用可と不可が各4銘柄、記載なしが2銘柄だった。商品本体と発売元のウェブサイトとでの使用部位表示が異なっている例があった。
こうしたことから、センターでは、消費者へは「用法・用量」「使用上の注意」で、使用部位を確認することや、「使用前テスト」の励行、症状の程度によっては皮膚科医を受診することなどをアドバイスしている
モールや取引対策課にも情報提供
除毛剤の危害情報や定期購入について多くの相談が寄せられているため、使用部位を正確に表示するとともに安心な取引ができるよう、業界として対応することを、日本化粧品工業連合会に要望。また、インターネットショッピングモール運営事業者のアマゾンジャパン合同会社とヤフー(株)、楽天(株)にも協力を依頼することを決めた。
また、定期購入に関するトラブル相談も多いことから特定商取引法を所管する消費者庁・取引対策課にも情報を提供。国センの担当者によると「17年の改正で特商法に定期購入に関する規制が盛り込まれて以来、定期購入トラブルに関するものは取引対策課に情報提供するようにしている」という。
テスト銘柄は非公表
記者発表の場では、テストした商品も並べられたがパッケージは商品名や販売会社が特定できないようにマスクされた。国センの担当者によると「商品そのもの自体に違法性があるわけではないため配慮した」と言う。

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