2019.01.31 行政情報
メーカーが「ネット販売禁止」「ネット価格」の指示も…公取委調査
公正取引委員会は29日に発表した「消費者向けeコマースの取引実態に関する調査」の中で、オンラインモールが消費者向けeコマース市場で重要な役割を果す一方で、出店者の小売事業を不当に妨害することで、独占禁止法に触れる可能性があることを指摘した。
「オンライン販売はメリットがあった」が94%
同調査は、インターネットを介して購入する商品の取引について調べたもので、小売業者848人、メーカー360人を対象とした事業者向けアンケート調査(調査期間:18年1月~2月)と、小売業者・メーカー・オンラインモール運営業者など117社を対象としたヒアリング(同:随時)、オンラインモールで月1回以上商品を購入している一般消費者2000人を対象としたインターネット調査(同:18年9月)の結果を分析している。
消費者向けeコマース市場全体の市場規模は、2012年の9兆5130億円から2017年には16兆5054億円となり、5年間で73.5%拡大。さらに事業者の94%がオンライン販売について「メリットがあった」と答えるなど、事業者にも消費者にも大きな利益をもたらしていることが分かる。
ECモールの不当な取引条件変更は独禁法違反の可能性も
その一方で、事業者・消費者が利用するオンラインモールには偏りがあり、小売業の多くは3つの主要なオンラインモールに出店。消費者も同様、3大オンラインモールを主に利用している。出店する側(小売店)の理由としては「ユーザー数が多い」(77%)、利用する側(消費者)の理由としては「価格が安い」(67%)、「取扱商品が多い」(57%)と答える人が多い。
これに対し、公正取引委員会は「出店者および消費者が集中しているオンラインモールの運営業者が、競争関係にある他のオンラインモールを排除したり、出店者に対し利用料や決済方法などの取引条件を一方的で不当に変更したりすることは、独占禁止法上問題となる可能性が高い」と懸念を示している。
「メーカー側からネット販売を規制された」は24%
メーカー・小売業者間で問題となる行為についての調査では、メーカーが小売業者に対して、小売価格や販売価格の広告・表示について指導・要請する行為があったかの質問に対し、小売業者は「されたことがある」(24%)、「されたことはない」(76%)と回答。オンライン販売では、商品のブランドイメージ維持のために小売業者に販売に関する制限を指示するケースもあり、「オンラインモールでの販売の禁止」(50%)、「オンライン販売の禁止」(39%)、「オンライン販売サイトのデザインの指定」(28%)なども行われていた。
これについて公正取引委員会は「メーカーによって小売業者のオンライン販売が制限されていないか、メーカーと小売業者間の取引状況について情報収集に努めるとともに、独占禁止法に違反する行為に対しては厳正に対処する」と厳しい姿勢を見せている。
一方で、オンラインモールが消費者向けeコマース市場で重要な役割を果たしていることから、「独占禁止法上問題となる行為が行われることなく、小売市場全体における競争がさらに促進され、消費者が良質で安価な商品をより簡単に入手できるようになることを期待する」と付け加えた。
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