2013.07.23 コラム
★成功ネットショップ:『KAJIN』(3)
「読モ」で安心感、繁盛店オーナーが貫いたママ目線
フォーマル子ども服専門店『KAJIN』の林志英(はやし・しえ)店長は、2児の母でもある。2001年、『KAJIN』をオープンして以降、子育てとネットショップ運営を両立させてきた。 この12年間、心がけてきたのは、“ママ目線”だ。お客様の多くが、子どもを持つママだからこそ、同じ目線でモノを見て、それを商品やサービスに反映してきた。 「サイト制作や、商品の仕入れ、オリジナル商品の企画など、お母さんだったらどう思うか、何を求めているかをいつも考えてきました。スタッフのなかには、KAJINのお客様になるお子さんがいる人もいますから、彼女たちの“現役ママ目線”の意見は、とても貴重です」 それを活かしたオリジナル商品の1つが、男の子向けのニッカポッカだ。ニッカポッカという商品自体も珍しいが、その売り方もユニークだ。ニッカポッカ、帽子、サスペンダー、シャツ、蝶ネクタイの5点セットで販売しているのだ。関連商品としてコーディネートしやすい靴も、サイトのイチオシとして販売している。 「忙しいママは、サイトをゆっくり眺めているヒマがありません。単品をいちいち選ぶのではなく、セット商品として提供したら喜ばれるのではないかという視点で販売したところ、ヒット商品になりました」 フォーマルで着られるだけでなく、組み合わせ方によってはカジュアルになる点も好評だった。トイレに一人でいけるようになる年頃の95センチサイズからは、前開きファスナーにするなど、子どもの成長を配慮したデザインも支持された。ママ目線を徹底したから、こうした商品が誕生したのである。
専属子どもモデルでより親しみやすいサイトに
サイト上でも、ママ目線は徹底している。 第1回でも取りあげたように、結婚式、発表会、七五三、卒業入学などシーン別で商品カテゴリを分けるなど、見やすいサイトを目指している。見やすいというビジネスに直結するコンテンツだけではなく、「店長の部屋」コーナーでは、林店長自らの子育てしながらの起業体験なども掲載している。ユニークなのは、サイトに登場する子どもモデルだ。実は、みんな、“KAJIN”のモデルなのだ。 林さんは、2年前に『KAJINクラブ』を立ち上げ、サイト内のスチール写真として使用する目的で、子どもモデルの募集を開始。現在、同クラブには、約40名が登録している。子ども達が、『KAJIN』の商品を着てポーズを決めて写真に収まっているが、どこか親近感がある。 「KAJINクラブのお子さんは、ウォーキング教室にも参加して練習してから撮影しますからポージングなどは上手です。厳密にはプロではないので、笑った表情、はにかんだ表情などがプロのモデルより自然で、お母さんたちがサイトを見たとき、『もし、うちの子が着たら……』とイメージしやすい。この身近な感じは、“KAJINらしさ”につながっていると思います」 また、同クラブに所属している子どもは、ショッピングモールなどで年に数回開催しているキッズファッションショーのモデルになれるチャンスにも恵まれる。これは、『KAJIN』ブランドを広める場にもなっている。 「親子連れでにぎわう場所でのキッズファッションショーは、レッドカーペッドの効果もあって、とても注目してもらえます。ファッションショーを見た方が、後日、ネットショップをのぞいてくれることも多く、大きな宣伝になっています」
スタッフとの信頼関係もママ流で
現在、『KAJIN』で働くスタッフは10名。子どもを持つ人が何人も働いている。ママの大変さを知っている林さんは、遅刻も、早退も、在宅勤務もOKにするなど、かなり融通のきくワークスタイルを認めている。
やりたいことは、たくさんある!
手探りでネットショップをオープンしてから12年。子どものフォーマルウェア専門店として、確固たるポジションを築いた『KAJIN』だが、林さんの勢いは止まらない。6月には、20代〜30代女性向けの自己啓発書を発行する予定だ。 そして、今、力を入れているのが海外展開だ。昨年末に、シンガポールにも販売拠点を立ちあげ、現地スタッフも1人雇った。いま徐々にシンガポールのみならず、イギリスなど海外から注文が舞い込む。今後はシンガポールを拠点に世界向けに販売していきたい。 『KAJIN』の躍進は、日本だけではなく海外までに広がっている。これからもいくつもの大輪の花を咲かせ、フォーマル子ども服業界を牽引していく存在になりそうだ。(完)
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