2026.11.06 通販支援
日本企業を「SHOPLINE」で世界へ、グローバルEC支援の事業開発“最前線”
SHOPLINE(本社:シンガポール)が提供するECプラットフォーム「SHOPLINE」は、全世界で70万以上のブランドに利用されている。2024年に設立された日本支社のSHOPLINE Japanでは、日本企業の海外進出や越境ECを支援する「事業開発」部門の拡充を急ピッチで進めている。同社代表取締役社長の大山廣貴氏とビジネスデベロップメントマネージャー・宮内瑞紀氏に、「SHOPLINE」で展開される事業開発の“最前線”を聞いた。
海外進出のハードルを極限まで下げる
――貴社の紹介からお願いします。
大山廣貴氏(以下、大山):SHOPLINEは2013年に香港で創業し、その後、シンガポールに本社機能を移転しました。日本支社のSHOPLINE Japanは、2024年4月から事業活動を展開しています。
ECプラットフォーム「SHOPLINE」の強みの1つに、アジア圏の消費者に馴染みが深い販売方法であるライブコマースを標準機能として搭載し、ライブコマースとの連携をスムーズに取れる点があります。
2点目は、越境ECに関する優れた利便性です。例えば、中国向けに自社ECを展開する場合、一般的にはVPNを使わないと中国現地のユーザーがアクセスして購入できませんが、「SHOPLINE」だと購入できる仕組みがあります。
3点目は、包括的な海外進出支援が可能なことです。ECサイトの開設だけでなく、海外の拠点やパートナー企業と連携して現地のマーケティング支援や実店舗・代理店の紹介を行うなど、EC以外のオフラインの流通まで日本企業をサポートできます。
――今後、どのような会社を目指す予定ですか?
大山:一般的な外資系プラットフォームの場合、日本企業のブランド様と直接コミュニケーションを取るケースは稀です。これに対し、当社は直接コミュニケーションを重ねることで、ブランド様に寄り添った事業展開を目指しています。
また、国内EC市場の拡大が期待できないことから、海外に目を向ける傾向が強まっていますが、特に中小のブランド様ではグローバル人材を抱える余裕がありません。そうしたブランド様について、アジア圏を中心に強力なネットワークを持つ当社だからこそ提供できる付加価値によって、海外進出のハードルを極限まで下げることを目標に置いています。
SHOPLINE Japan 代表取締役社長 大山 廣貴 氏
課題は「事業開発」メンバーの不足
――今のところ順風満帆のように見えますが、目標達成に向けてクリアすべき課題などはありますか?
大山:「SHOPLINE」に対する引き合いが急増しているなか、最大の課題となっているのが人材の確保です。特に「事業開発」を担う人材の不足がボトルネックとなっています。
当社は海外進出・越境EC支援を事業の柱に据えて、急成長を続けています。その一方で、日本企業と海外市場、さらには現地のオフライン流通やパートナー企業をつなぎ、ビジネス全体を推進する事業開発を担うマンパワーが不足しています。
このため、日本のブランド様の要望に沿って、主体的にビジネスを動かせる仲間をお迎えしたいと考えています。
――事業開発担当者の業務内容は?
大山:事業開発の業務は、単にECプラットフォームの導入を提案するだけではなく、海外で売上・利益を最大化するためのビジネスを総合的にプロデュースします。
1日の主な流れを見ると、午前中は台湾・香港・シンガポールなどの現地メンバーや、本社のプロダクト開発チームとのミーティングを中心に進めます。午後は、日本のブランド様との打ち合せや提案作成などを行います。もちろん海外出張も多いです。
――事業開発に携わるやりがいは何ですか?
宮内瑞紀氏(以下、宮内):私自身の話をしますと、前職までは国内EC事業者様に対して売上拡大を提案する業務に携わっていました。国内市場の縮小が懸念されるなか、「本当にお客様のためになる価値を提供できているのだろうか」と自問する日々でした。
しかし、当社に入社してからは、海外進出や越境ECという、企業にとってインパクトの大きい戦略に直接貢献することができています。お客様から「おかげで海外展開の第一歩を踏み出せた」という声をいただけた時は、社会的な価値がある仕事だと実感できました。
そうした事例の1つに、ファンケル様による台湾進出があります。台湾進出で大きな障壁となるのが、「電子発票制度」へのシステム対応です。「SHOPLINE」は台湾の電子発票制度に完全に対応できるECプラットフォームであり、当社だからこそ実現できた成功モデルだと自負しています。
外資系のイメージが180度変わった
――実際に入社してみて、入社前に想像していたことと違った点はありましたか?
宮内:以前は国内企業で働いていたため、外資系企業については、ドラマに出てくるようなクールでドライな人間関係を想像していました。ところが、SHOPLINE Japanに入社し、そのイメージは180度覆されました(笑)。
もちろん成果を求められますが、結果を出すための周囲のサポートが驚くほど手厚かったのです。代表の大山をはじめ、その上の海外役員も気にかけてくれます。2カ月に1回ほど来日し、「現場で何が必要か」と親身に相談に乗ってくれるほか、重要な商談に同席してバックアップしてくれます。
――海外拠点とはどのように連携しているのですか?
宮内:例えば日本企業が台湾へ進出する場合、ECによる売上だけでなく、「現地の実店舗に商品を置きたい」「現地の信頼できる代理店を紹介してほしい」といった要望をいただくことがあります。その際には台湾拠点のメンバーに相談しながら、現地の有力な代理店や流通パートナーを紹介します。
物流面でも連携しています。通常の越境ECだと、注文が入るたびに日本から海外へ発送するため、配送日数もコストもかかります。これに対し、「SHOPLINE」は台湾に倉庫を持つことから、在庫を保管しておくことでスピーディーに配送できます。
SHOPLINE Japan ビジネスデベロップメントマネージャー 宮内 瑞紀 氏
海外経験や語学力は不問
――英語や中国語などの語学力は必須ですか?
宮内:入社時点で英語や中国語がペラペラである必要はまったくありません。実際、私自身も入社前はパスポートすら持っていなかったほどですから(笑)。
翻訳ツールやAI技術が進化していますので、日常のテキストコミュニケーションやミーティングのキャッチボールはカバーできます。また、海外チームには日本語が流暢なスタッフが多数在籍しています。
とは言え、少しでも会話ができれば商談に踏み込むことができるので、語学力を向上させる努力をいとわない方が、この仕事に向いていると思います。
大山:語学力そのものよりも、「英語や中国語で行われるミーティングや出張に、躊躇せずに飛び込めるか」というマインドが大切ですね。
最初はAIツールを活用しながらでも、グローバルな環境に主体的にかかわっていくなかで、自然と語学力や国際感覚が身に付いていきます。そうした積極性があれば、語学力に不安があっても問題ありません。
――意思決定のスピード感などもお聞きできますか?
大山:社内の意思決定は極めて迅速です。それは、シンガポール本社から日本支社に権限委譲が行われているからです。新しい取り組みを始めるたびに本国の承認を得る必要がなく、現場で汲み取ったニーズをすぐに施策へ反映できます。
意思決定の流れは基本的にボトムアップ型ですね。会社としての売上目標やミッションは存在しますが、それを達成するためのアプローチは個々のメンバーに任されています。
――入社後、一緒に働くメンバーはどのような方たちですか?
大山:多国籍のメンバーが集まっています。特に台湾のメンバーは親日家が多く、性格も温厚な人ばかりで、とても働きやすい環境だと思いますよ。
お互いを尊重し合う温かい雰囲気がある一方で、全員が「自立したプロフェッショナル」として高い目標意識を持っています。
グローバルビジネスパーソンへキャリアアップ
――入社後のキャリア形成や、身に付くスキルを教えてください。
大山:「SHOPLINE」での事業開発を経験することで、真のグローバルビジネスパーソンへ成長できると考えています。案件の約半分が海外関連のため、実践を通じて海外市場のナレッジ、現地の商習慣、国際的なアライアンス構築のノウハウを習得できます。
国内ECのプロから、世界を舞台に活躍できるグローバルビジネスパーソンへとキャリアアップする機会を提供できると確信しています。
――貴社が求める人物像とは?
大山:ハード面では、EC業界・SaaS業界での営業や事業開発の経験をお持ちの方を歓迎します。ソフト面では、スタートアップ特有の変化に富んだ環境を楽しめる柔軟性があり、自ら主体的に動ける方を求めています。
反対に、当社に向いていないタイプは、完全な受け身の姿勢の方。海外市場への関心が薄い方も適していないですね。
――最後に、新たな活躍の舞台を探している業界関係者様へひと言お願いします。
大山:当社はグローバルな基盤を備えながら、日本ではこれから成長期を迎えるという恵まれたポジションにあります。「英語に自信がないから」「海外経験がないから」と躊躇する必要はありません。「世界を舞台に力を試したい」という思いをお持ちの方ならば大歓迎です!
――ありがとうございました。
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