2023.07.26 調査・統計
VTuber市場、23年度は53.8%増の800億円に…同人誌やトレカと同じ規模に
(株)矢野経済研究所が25日発表した『VTuber市場に関する調査』によると、2023年度の市場は前年度比53.8%増の800億円を見込み、「同人誌」の800億円や「トレーディングカードゲーム」の792億円と比肩する市場規模に拡大するとみている。

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コロナ禍の影響で動画視聴需要が急増
市場は、ライブストリーミング(動画配信による広告料・スーパーチャット・メンバーシップなどからの収益)、イベント(ライブ・コンサートなど有償イベントのチケット販売収益)、グッズ(記念品など有形商品や楽曲ダウンロード販売などの収益)、BtoB(タイアップ広告、IPライセンスによる版権・商品化権 ビジネスによる収益)の4セグメントに分類した。2月~6月、VTuberをマネジメントする事務所、プロジェクトを運営する企業などから聴取した。アニメルックなキャラクター(アバター)で動画を投稿するVTuberは、2016年の「キズナアイ」の登場で始まった新興の表現手法だ。コロナ禍の影響で動画視聴需要が高まり、VTuberはその知名度と人気が急拡大した。22年度のVTuber市場は、VTuber事務所を運営する企業の事業売上高ベースで前年度比67.7%増の520億円に拡大した。
VTuberはIPとインフルエンサーの2つの特性あり
セグメント別に内訳をみると、グッズが267億円(構成比51.3%)、ライブストリーミングは135億円(同26.0%)、BtoBが78億円(同15.0%)、イベントは40億円(同7.7%)。グッズ領域は同時に最も成長率が高い結果となった。伸び率は落ち着いてきているものの、VTuber市場は成長を続けており、23年度の同市場は同53.8%の800億円になる見込みだ。VTuber市場と同規模のオタク・サブカルチャーでは、「同人誌」の800億円(21年度、小売金額ベース)や「トレーディングカードゲーム」の792億円(21年度、メーカー出荷金額ベース)があり、コンテンツ産業において、すでにこれらと肩を並べる地位を占めるまでになっている。
VTuberは、成り立ちからIPとインフルエンサーの2つの特性をもち、この点がYouTuberやアニメ声優など他のコンテンツとの一番の違い。アバターで活動しているため、そのキャラクターデザインを用いたグッズ販売のほか、ゲームやアニメのキャラクターとしての作品出演などのIPライセンスビジネスの展開が見られる。
インフルエンサーや企業とのタイアップ広告などでも活躍に期待
また、VTuberは純粋なアニメキャラクターではなく、演者(中の人)がキャラクター設定に基づいたロールプレイを行いながら、視聴者と生の掛け合いを行ったり、身近な出来事について語るなど、オリジナリティが反映されたキャラクターを形作っていくという特性がある。アニメキャラクターのような魅力的な見た目を備えつつも、その人らしい「生の声」として情報を発信するインフルエンサーとして、企業とのタイアップ広告などでの活躍も期待される。22年以降、VTuber事務所を運営する企業が相次いで東京証券取引所グロース市場に上場するなど、VTuberは新興コンテンツとしての地位を確立してきている。また、VTuberの人気は海外にも広がっており、大手事務所を中心に海外ファンの獲得を進めているほか、海外でもVTuber事務所設立の動きが見られる。
さらに、VTuberはアニメルックなアバターで活動し、デジタル世界でのインフルエンサーとしての側面があることから、メタバースとの親和性も期待されており、運営企業 による投資も活発化している。
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