2023.07.10 調査・統計
メディカル給食・在宅配食サービス市場が拡大傾向、22年度は2兆3142億円に
(株)矢野経済研究所がこのほど発表した『メディカル給食・在宅配食サービス市場に関する調査(2023年)』の結果によると、高齢者人口の増加と医療の在宅化を背景に市場は拡大傾向にあり、今後も堅調に拡大するとみている。

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病院給食は微減、在宅配食サービスは堅調に推移
市場は、「病院給食」(病院、診療所)、「高齢者施設給食」(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、介護医療院)、「在宅配食サービス」の3分野の合計値。各施設と関連団体などを対象とし、4月~6月に聴取した。それによると、22年度の国内市場規模は、前年度比1.0%増の2兆3142億円となった。病院給食(患者、職員給食)は、病院数(病床数)と在院日数の減少で微減傾向が続いている。一方、高齢者施設給食(入所者、職員給食)は、有料老人ホームなどの新設を背景に安定的に拡大している。
在宅配食サービスは、高齢者人口の増加と医療の在宅化を背景に市場は拡大傾向にある。コロナ禍においても喫食需要は安定した。その結果、病院給食の減少分を高齢者施設給食と在宅配食サービスが補う形で、市場規模全体は堅調に推移した。
商品ラインアップの充実などで冷凍宅配食市場が拡大
また、主として高齢者向け(介護食、治療食を含む)の冷凍弁当・惣菜を配食する冷凍宅配食市場が注目を集めている。冷凍宅配食は需要、供給側の双方にとって利点がある。供給側の事業者は冷凍にすることで事業運営の効率化が図れ、配送コストも削減できる。需要側の利用者は安価にまとめ買いをしてストックできるため、毎日受け取る必要がないなど利便性が向上する。コロナ禍を経て、冷凍食品全般に抵抗感を感じる利用者層が少ない傾向にあることも市場に好影響を与えている。
介護食や治療食も含めて商品ラインアップが充実してきていることから、冷凍宅配食は拡大している。一方で、拡大する一般の調理済み冷凍食品市場は今後、配食サービス事業者がどのような優位性を示すことができるのか、差別化が大きな課題となっている。
27年度には2兆4793億円の見込み
23年度の国内メディカル給食、在宅配食サービス市場規模は2兆3790億円、以降も微増を続け、27年度は2兆4793億円と見込んだ。この間、病院給食の比率が低下し、高齢者施設給食と在宅配食サービスの比率が増加するとみており、今後も病院の統廃合や閉鎖、診療所の無床化が進むことから、病院給食市場は伸び悩むと予測している。一方、高齢者施設給食市場は引き続き拡大するとみられるが、食事費の自己負担化や人手不足などにより、伸び率は微増傾向を予測。中でも、有料老人ホームなどの新設は市場の追い風になる。また、在宅配食サービス市場は、在宅高齢者の増加から今後も着実に拡大するとみられ、特に大手事業者の参入で民間サービスが市場を牽引すると考えられる。
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