2023.04.05 調査・統計
理美容向け業務用化粧品市場、4.1%増の1538億円…来店客が回復傾向
(株)矢野経済研究所が4日発表した『理美容向け業務用化粧品市場に関する調査(2023年)』の結果によると、22年度の市場は前年度比4.1%増の1538億円。来店客数や来店頻度が回復し、ヘアカラーを中心に施術売上高が改善、店販品の販売も好調に推移している。

外出控えの改善で理美容サロンへの来店客数・来店頻度が回復
理美容化粧品市場は、国内理容所(理容室)と美容所(美容室)で主に毛髪に関する施術に供するために必要な業務用化粧品全般、およびサロン利用客を対象に販売するサロン専売のホームケア化粧品の市場をさす。調査は23年1月~3月。理美容化粧品メーカー、理美容化粧品商社・ディーラーその他、理美容関連協会・団体、理美容関連企業に聴取した。
それによると、22年度の理美容向け業務用化粧品市場は、行動制限が緩和されたことで外出控えが改善に向い、理美容サロンへの来店客数や来店頻度の回復が進んだことから、市場規模はメーカー出荷金額ベースで前年度比4.1%増の1538億円となった。
今後も感染防止対策として、密閉空間ではマスクを着用したり、周囲に感染を広げないために外出を控えるなどの生活スタイルは継続される見込みで、コロナ禍前の市場環境には戻ることは難しいものの、ヘアカラーオーダーを中心に店頭施術売上が改善され、店頭やECチャネルでの店販品(店頭販売品)の販売も好調に推移している。
原料の市場価格高騰で国内市場でも価格が改訂される原料も
世界的な汎用原料の需要拡大による原料の市場価格高騰の影響で、国内市場でも数次の原材料価格改訂が行われている。さらに、包装資材やエネルギーコスト、物流費、人件費等が上昇しており、これまで自社内部の継続的なコスト吸収努力の取組みを基本方針に掲げてきたメーカー各社は、22年後半から一部による価格改訂(値上げ)が始まっている。
また23年度以降、新ブランドの上市や新製品投入、既存ブランドのリニューアル時に、価格改訂を行う方針も多数確認されている。一方で、国内外のメーカーとの競合環境を踏まえ、価格改訂による他社ブランドへの切り替えを懸念し、なお慎重姿勢を貫く理美容化粧品メーカーも少なくない。
理美容化粧品メーカーは、自社製品の価格改訂と併せた取引先サロンの客離れを生じさせない効果的な新メニューの提案を行い、ひいては客単価アップとサロンスタッフの賃金アップなどの波及効果も訴求した営業に注力していくことが求められる。
23年度はコロナの5類移行も予定され、コロナ前の生活への回復が期待され、また業務用化粧品の価格改訂も予定されていることから、市場は拡大を見込み、22年度比2.9%増の1584億円を予測した。レジャーやファッションをはじめとする多様な娯楽や趣味に支出が分散化されることに、人口減少の構造的問題も重なり、その後の市場は減少に転じるとみられる。
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