2023.02.06 調査・統計
健康・機能性食品素材市場、21年度は3.1%増の1894億円…健康意識の高まりで
(株)矢野経済研究所がこのほど発表した『健康・機能性食品素材市場に関する調査』によると、21年度の市場規模は前年度比3.1%増。コロナ禍で新たに浮上した健康問題解決のための素材の需要喚起と、一般食品への採用増が市場規模を押し上げていた。

健康・機能性食品素材(44素材)国内市場規模推移
健康・機能性食品素材(44素材)国内市場規模推移
ストレス・睡眠・肥満・免疫対応素材が好調
健康・機能性食品素材供給企業(メーカー、商社など)から、22年10月~12月に聴取した。それによると、調査対象としたサプリメントや一般食品に配合される44素材(原料)の21年度国内市場規模は、流通金額ベースで前年度比3.1%増の1894億7700万円。また、流通量の合計は約6万1725トン(同3.7%増)で、金額、流通量ともに伸長した。
健康・機能性食品素材の主力用途だった健康食品市場の伸長率が鈍化したものの、一般食品で健康を付加価値とした製品の開発・展開が活発化しており、22年度も健康・機能性食品素材の需要・流通量の拡大が見込まれる。
同素材の中でも、新生活様式下におけるストレスや睡眠、肥満などの健康問題を解決する素材や、コロナ禍で重要性が再認識された「免疫」機能対応素材(「乳酸菌」「プロポリス」など)が好調に推移した。特に20年に免疫対策の機能性表示食品が消費者庁に受理されて以降、「免疫」機能対応素材を配合した機能性表示食品が拡大し続けている。
コロナ禍で需要が減っていた素材のうち、肝臓機能対策系素材は回復基調になるとみられる。アルコール対策として認知度の高い「ウコン」や「肝臓加水分解物」、肝臓機能回復用途での「プラセンタ」は流通量が減少したが、22年度以降はコロナ禍前の水準に戻っており、今後は外出先での飲酒需要の回復とともに、肝臓機能対策での市場拡大が期待される。
また、特に成長が期待される分野として、フェムケア素材の需要が高まっている。女性の社会進出が進む中で、更年期をはじめとする健康やライフスタイルの悩みに応える動きがある。 「エクオール」や「大豆イソフラボン」「ヘム鉄」などの素材も、販売量が増えるとみられる。
緩やかな拡大基調の維持を予想
国内の健康食品市場は今後も緩やかな成長基調を辿り、一般食品市場は健康機能を有する商品の開発・展開が継続すると予測。機能性表示食品は差別化策として、1商品で複数の健康・機能性食品素材を複合・表示することで、期待される健康機能を高める動きが活発化。健康・機能性食品素材市場全体としては緩やかな拡大基調を維持すると考えられる。
さらに、健康・機能性食品素材市場では国内の需要に加え、中国や東南アジアなど、将来的に需要拡大や市場成長が見込まれるエリアへの対策が今後のさらなる成長の鍵であり、営業体制の構築・拡充などが期待される。
一方で、世界的な需給バランスや生産国での政治的なリスク、自然由来品に対する天候や自然災害のリスクがあるため、安定的な原料の確保が成長の成否を左右する素材も散見される。そのため産地の分散化などを課題とする素材・企業も多く、長期的視点に立った戦略構築が必要としている。
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