2022.12.08 調査・統計
コロナでインフラ投資拡大…企業のIT投資、21年は4.5%増の13兆5500億円
(株)矢野経済研究所が7日発表した『国内民間企業のIT投資実態と今後の動向に関する調査』によると、2021年度の市場規模は前年度比4.5%増の13兆5500億円。22年度は事業拡大や新規ビジネスの開拓を意識した投資が活発化し、同4.0%増を予測している。

コロナ禍に伴うテレワーク普及でインフラ投資が拡大
国内民間企業のIT市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、IT投資額ベースで、21年度が前年度比4.5%増の13兆5500億円と推計した。コロナ禍に伴うテレワークの普及で、テレワークに関するインフラへの投資が拡大した。企業規模を問わず、緊急に対応を迫られたもので、市場に与えたインパクトも大きい。
また、テレワークが難しい業種・業務でも、リモート対応を求められる機会が増え、ECの強化や、AIを活用したコールセンター向け投資、デジタルマーケティング関連への投資などが拡大した。22年度もコロナ禍対策としての投資は一部継続すると予測する。さらに、21年度は、停止していたプロジェクトが再開するなど、短期的なマイナスからも回復する傾向にあった。
IT刷新は0.79ポイント、革新的な取り組みは1.02ポイント向上
同社はDXへ取り組む意欲に関し、488社にアンケートを実施。「革新的な取り組み」(ITで新たなビジネスにチャレンジするなど)に対する意欲と、「IT刷新」(基幹システムをSaaSにする、業務をクラウド中心にリニューアルするなど)に対する意欲の2つに分類した。
それぞれ8段階(「8」が積極的、「5」が普通、「2」が消極的、初めて聞いたが「1」)で回答を得た。数値が大きいほど積極的であることを示している。平均値は、革新的な取り組みが4.39、IT刷新が4.57だった。新しいビジネスに挑むハードルは高く、この結果は首肯できるとした。
19年の同様のアンケートの平均値(523社)は、革新的な取り組みが3.37、IT刷新が3.78だった。比較すると、IT刷新に対する意欲は0.79ポイント、革新的な取り組みに対する意欲は1.02ポイント向上した。企業のDXに対する意欲は拡大しており、それは特に革新的な取り組みに表れている。変革なくしてDXとは言い難く、健全な姿と言えるとしている。
22年度は前年度比4.0%増の14兆900億円を予測
市場の将来については、IT投資額ベースで、22年度が前年度比4.0%増の14兆900億円、23年度は同2.2%増の14兆4000億円、24年度は同1.4%増の14兆6000億円と予測した。
22年度はデータを利活用し、競争力や顧客エンゲージメントを高める取り組みや、「電子帳簿保存法」「インボイス制度」への投資も見込まれる。コロナ禍の影響を受けたサービス業も回復の兆しが見られ、人手不足、デジタルマーケティングへの投資が伸びている。
また、好調なIT投資を支える要素には、セキュリティ対策やBCP(事業継続計画)対応も挙げられる。サイバー攻撃による被害が増加傾向にあることから、各規模・各業種で今後も投資が拡大していくと予測。23年度以降は、基幹システムやサーバーのリプレイス、セキュリティ対応などのほか、データを活用した取り組みの必要性が高まると期待される。
データを活用した取り組みに関しては、人材不足が課題に挙げられることも多く、今後はIT人材の育成にも投資を行っていくと考える。近年、リスキリングやリカレント教育が注目を集めていることもこの現れと言える。
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