2022.09.29 調査・統計
21年度の食品通販市場、約4兆4000億円に拡大…コロナ特需が継続
(株)矢野経済研究所が28日発表した『国内食品通販市場に関する調査』の結果によると、2021年度の市場は約4兆4000億円となり、コロナ禍の継続で需要は高止まりが続き、続伸。22年度は反動減の兆しや各種の値上げ動向から、市場規模の縮小を予測している。

ショッピングサイトが40.5%、生協が35.1%を占める
「食品通販市場」は、ショッピングサイト(カタログ通販含む)、生協(班配+個配)、自然派食品宅配・通販、ネットスーパー、食品メーカーによるダイレクト販売(直販)。また、製品(商品)は生鮮3品(水産、畜産、野菜・果物)、米、飲料(ミネラルウォーターは含み、宅配水は含まない)、酒類、菓子類、健康食品、その他加工食品を対象とした。
それによると、21年度のチャネル別の市場規模構成比は、ショッピングサイトが40.5%、生協が35.1%、食品メーカーによるダイレクト販売が17.1%、ネットスーパーが4.8%など。小売金額ベースで前年度比2.9%増となる4兆4434億円となり、前年度の特需の反動減が懸念されたが、営業時間短縮や行動制限が続き、需要は高止まりが続いた結果、続伸となった。
ただ、前年度とは異なるトレンドもみられた。20年度は緊急事態宣言が発出された4月~6月を中心に、生活必需品のまとめ買いや家飲みの需要増加から、米や飲料、乾麺、レトルト食品などのストック型商品や酒類が売上を伸ばす傾向がみられた。
しかし、21年度ではそうした特需は沈静化し、在宅時間を充実させるために、普段より高品質なグルメ商品やスイーツを通販でお取り寄せして楽しむといった消費が拡大した。これに合わせて、新規参入事業者が急増したことも、食品通販市場の拡大に繋がったと考えられる。
22年度はコロナ禍による特需の反動減
食品ギフトの需要拡大も特徴だ。コロナ禍以降、グルメなおかずを通販で取り寄せ、自宅で楽しむという消費行動が加速。これまで取り組んでこなかった有名店や人気店も通販での食品販売に取り組むようになり、食品通販市場にグルメ商品が増えたことも追い風になった。併せて、両親や友人、知人などに「贈る」という需要の増加にも繋がっている。
22年度もコロナ禍の収束は見通せないが、行動制限の解除などで、過去2年間の特需の反動減の兆しがみられる。また、新規参入も前年度に比べてやや落ち着いているほか、既存の通販業者も物価やエネルギーコストの上昇などに伴い、収益確保に向けて販促費を絞っており、コロナ禍で特に好調に推移してきた高単価な食品に関してはやや逆風となっている。
各種商品の値上げで消費者の節約志向が強まっていることもあり、お得感のある商品の需要は底堅いものの、22年度の食品通販市場規模は前年度比2.4%減の4兆3374億円と、縮小に転じると予測している。
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