2022.06.16 調査・統計
値上げラッシュが継続、企業の7割が「6月以降に値上げを実施済・予定」
(株)帝国データバンクが15日発表した『企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート(6月)』の結果によると、「6月以降に値上げした・する予定」の企業は3社に1社。さらに4月以降では、7割弱が自社の商品・サービスを「値上げ実施済・予定」であることが判明した。

「4月~5月に値上げした」企業は42%に
コロナ禍、ロシア・ウクライナ情勢、原油・原材料価格の高止まり、そして円安――。さまざまな要因を背景に仕入れコストが上昇している。同社の5月の景気動向調査では、企業の「販売単価DI」が7か月連続で過去最高を更新するなど、販売価格や取引価格への転嫁の勢いは増している。「値上げに関する調査」は4月に続いて2回目となる。
それによると、自社の主な商品・サービスの値上げ動向については、42.3%の企業が「4月~5月に値上げした」と回答していた。また「6月に値上げした・する予定」は14.1%、「7月~9月ごろに値上げ予定」は19.9%、「10月~12月ごろに値上げ予定」は9.3%となり、企業は今後も値上げを考えていることが明らかになった。
4月の調査と比較すると、「7月~9月ごろに値上げ予定」の企業は11.3pt上昇、「10月~12月ごろ値上げ予定」の企業は6.7pt上昇しており、この2か月の間に値上げを考える企業の勢いが増していることが分かった。
原油価格の高騰による物流費上昇、急激に進む円安などで値上げを決断
企業からは「原油価格の高騰、人件費や傭車費の値上げによる輸送費の上昇、セメント価格の値上げが重くのしかかっている」(建設石材窯業製品卸売)との声があった。原材料費の値上がりや原油価格の高騰に伴う物流費上昇、急激に進む円安などが重なった急激なコストアップが、企業努力で吸収できる限界を超え、値上げに踏み切ったとの声が多く聞かれた。
「4月以降に値上げ実施済・予定」の企業を業界別でみると、「卸売」の87.6%と「製造」の79.9%が高く、平均の68.5%を大きく上回っていた。さらに業種別では、「飲食料品・飼料製造」が91.3%、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」が89.1%、「飲食料品卸売」が88.5%となり、これらの業種で値上げがとりわけ進んでいる。
値上げラッシュで消費者心理の冷え込みが懸念
企業からは「原材料、調味料・包装資材の度重なる値上がりが、自社内のコスト削減レベルを大きく上回るため、自助努力では吸収できない」(野菜漬物製造)や、「木材・コンクリートなどは、ウッドショックや急激な円安、ロシア問題などで、すでに尋常でないほど価格が上昇し、値上げせざるを得ない状況にある」(木材・竹材卸売)といった意見が挙がっている。
他方、「情報サービス」(12.0%)、「不動産」(29.6%)、「運輸・倉庫」(51.2%)の業種では、値上げを実施している企業の割合が低かった。「自社のビジネスチャンスを損ないたくない」(ソフト受託開発)、「契約打ち切りのリスクがかなり高い」(一般貨物自動車運送)と、他社との競合などから、人件費や燃料費などの上昇分を転嫁しにくい状況がうかがえる。
小売業や個人向けサービス業を含む「個人消費関連」は、「値上げ実施済・予定」企業は71.2%となった。止まらない値上げラッシュで、消費者心理の一段の冷え込みが懸念される。
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