2021.06.03 調査・統計
20年のスポーツ用品国内出荷金額、コロナ禍で10.8%減…21年はプラスに?
(株)矢野経済研究所が1日に発表した『スポーツ用品市場に関する調査』によると、2020年の国内出荷金額は新型コロナウイルス感染拡大によるダメージが大きく、前年比で90%を割る1兆3700億円余を見込んだ。一方、21年は同110%余の1兆5000億円台を予測。20年の反動増でプラス成長を果たすとした。

20年のスポーツ用品市場、五輪延期・スポーツイベントの中止が大打撃に
調査対象としたスポーツ用品市場は、ゴルフ、アウトドア、釣り、テニス、野球、サッカー、サイクルスポーツなど主要17分野の関連用品。1~3月に実施し、メーカー出荷金額(国内出荷額)ベースで市場規模を算出した。
20年は東京五輪・パラリンピックの1年延期が決定したほか、各種スポーツイベントが中止や延期を余儀なくされ、市場にとって大きな打撃となった。また、急速に新規出店が進んだメーカーの直営店をはじめ、各スポーツリテーラーも臨時休業や営業時間短縮などで売上は激減、学校の部活動も一時的に休部となり、競技環境が整わなかったことも大きな痛手となった。その結果、市場規模は、前年比89.2%の1兆3737億8000万円を見込んだ。
ゴルフやアウトドアなど三蜜にならないアクティビティが成長
一方、巣ごもりによる運動不足を解消する狙いから、三密にならないアクティビティが注目を集めている。ゴルフやアウトドア用品の出荷金額は、最小限の落ち込みにとどまる見込み。また、釣りやサイクルスポーツ用品は前年からプラス成長を果たす見込みだ。このように、コロナ禍によって市場成長に弾みがついた分野もあり、20年のスポーツ用品市場はカテゴリーによって明暗が分かれる結果となった。
21年のスポーツ用品国内市場規模は、前年比110.5%の1兆5179億8000万円と予測した。20年のコロナ禍に伴う反動増で、プラス成長を果たす見通し。ただし、コロナ禍が再度拡大局面に入れば各種スポーツイベントの中止が予想され、市場への影響が懸念される。東京五輪・パラリンピックも無観客での開催となった場合、国内出荷市場への波及効果も限定的にとどまる可能性が高い見込みだ。
スポーツ用品市場でもECが存在感
同社が注目したのはECの存在感。特筆すべきは利用者が中高年層にまで及んでいること。主要なリテーラーによると、中高年層の間でネットショッピングへの抵抗感がなくなりつつあり、EC利用が大幅に増加している。
これまで、ECを不得手とする中高年層は、EC利用を避けるデジタルデバイドが生じていると見られてきた。しかし、コロナ禍による巣ごもり状況の中、必要不可欠なものの一つになろうとしている。重症化リスクの高い中高年層は当面、不要不急の外出自粛を続けるはずで、巣ごもりで利便性の高さを実感したEC利用は、さらに加速していくと思われる。
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