2021.04.26 調査・統計
国内食品D2Cサービス市場が急成長、20年は58%増の340億円に
(株)矢野経済研究所がこのほど発表した「食品D2C(Direct to Consumer)サービス市場に関する調査」のまとめによると、消費行動の変化と食品通販市場の伸びが後押しする形で、食品D2Cサービス市場は加速度的な成長をみせている。2020年度の市場規模は前年度比約58%増となる340億円を見込み、拡大基調は今後も続くと予想している。
食品通販市場の拡大で食品D2Cサービスが急成長
調査は1~3月。食品D2C参入企業と支援サービス企業などに、市場動向や将来展望などを聞いた。D2Cについて、調査では、自社で開発・製造(OEMを含む)した商品を、消費者との繋がりを重視し、自社のオンラインサイトを中心に直接消費者に販売するモデルと定義した。
それによると、食品通販市場が追い風の中で、食品D2Cサービスもここ2~3年で急激な成長ぶり。20年度の市場規模は前年度比58.1%増の340億円を見込んだ。既存の参入企業は、製造・販売体制が固まってきたことで、本格的な顧客獲得の段階に入り販売を伸ばしている。さらに、20年度も新規参入事業者が多く見られるなど、一社あたりの売上の増加と新規参入企業の増加といった2つの要因から市場が急成長している。
スタートアップだけでなく、大手食品メーカーなども参入
また、20年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、食品通販や食品宅配の需要が拡大していることも市場拡大を後押し。食品D2Cサービス市場は、まだ立ち上がってきたばかりで規模は小さいものの、その成長度合いは加速度的とした。
これまでに展開しているのはスタートアップ企業が中心だったが、大手食品メーカーや飲料メーカーも、立ち上げやオンライン専用商品の開発などの動きを見せている。コロナ禍で従来からの店舗ビジネスが変化していることや、今後のDXを見据えて流通改革を進めていく必要があり、自社ブランドで販売まで一貫して行うD2Cモデルに注目している側面もある。
オムニチャネルによる相互集客が好循環
市場は、消費者の嗜好の変化から、大量生産による商品だけでなく、個々の好みに応じたニッチな商品も受け入れられる土壌ができており、今後も大手食品メーカーを含め、新規参入企業が増えてくるとみられる。また、消費者のD2Cブランドに対する認知度の向上、食品EC化の高まりなどを好材料に拡大基調は続くものと予想する。
オンライン販売が中心とはなるものの、実店舗を含めたオムニチャネルでの展開が増えてくることが想定されることから、実店舗とオンライン販売の双方の送客による好循環が市場拡大を後押しするとみられ、今後の成長が期待されるとしている。
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