2022.06.28 ECモール
子どもの誤飲事故が頻発、経産省がネオジム磁石セットの玩具に注意喚起
強力な磁力を持ったマグネットセットを子どもが誤飲したことで、開腹手術が必要となる事故が複数発生している――。経済産業省はこのほど、消費者安全調査委員会の要請に基づく形で、購入者への誤飲事故の注意とともに、再発防止の観点からインターネットモール上での販売者と運営事業者に対し、具体的な商品説明や表示などの面から協力を求めた。

対象の磁石単体は子どもが誤飲できる大きさ
消費者安全調査委員会は、ネオジム磁石製のマグネットセットによる子どもの誤飲事故について、消費者安全法の規定に基づく調査を実施し、「マグネットセットが子どもの手に渡らないようインターネットモール事業者に協力を求めること」を含む意見具申を、同法に基づいて消費者庁長官と経済産業大臣に対して行っていた。
対象となる磁石単体は、子どもが誤飲できる大きさで、小さいものでは3㎜~5㎜の球(マグネットボール)、または立方体(マグネットキューブ)。強力な磁石であるネオジム磁石にめっき処理を施し、数十個以上を1セットとして、「パズル」「おもちゃ」「玩具」などをうたって子ども向けに販売されている。主に海外の事業者によって販売されている実態があるという。
37個の磁石を誤認していた例も
調査によると、2017年~21年までの5年間で10件の誤飲が確認された。中には37個も誤飲している事例もあった。また、22年1月に「乳児が玩具(ネオジム磁石)を複数個誤飲して受診。小腸穿孔が複数箇所生じ、手術により当該玩具を体内から摘出」との事故情報が、事故情報データバンクに登録されている。
マグネットセットの磁石を複数個誤飲すると、消化管を挟んで磁石が引き合い、消化管などに穴が開くことがある。その結果、腸の捻転・通過障害が発生し、広範囲の腸閉塞・虚血・壊死を生じ、放置すれば死亡に至る可能性がある。海外では死亡事故が報告されているという。
また、インターネットモールでの商品検索の結果、対象年齢や誤飲の危険性などの表示がなく販売しているものもあり、容易に購入、入手できる状況にあった。ネオジム磁石を使用した製品には、工具や文具、アクセサリーとして販売されているものもあった。
ECモールにも協力を依頼
消費者安全調査委員会は、事故の再発防止には子どもの手に渡らない状況を作り出すことが必要で、製造と販売、輸入に対する法規制が必要としている。インターネットモールを通じ、海外の事業者によって販売されている実態を踏まえ、法規制が行われる前でも子どもの手に渡らないよう、インターネットモール事業者に協力を求めることが必要だとしていた。
これを受けて経済産業省は、マグネットセットを販売する事業者、運営者に次の内容を通知し、対応の協力を要請した。まず、「14歳以上が使用するものである」ことの明記を強調。さらに、子どもが誤飲して開腹手術が必要となる重大事故が複数発生していることを明示しつつ、「子どもの手には触れさせない旨の注意喚起をする」ことを求めた。
さらに、「子どもの使用や幼児教育を想定した表現を行わない」こと。具体的には、「子ども」や「親子」といった表記のほか、「おもちゃ」「知育」「教育」など、子どもが使うことを想定した表現を用いない、子どもの写真画像やイラストを使用しないことなどだ。
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